川口ゆりがSNSで「男性の体臭」をディスり大炎上…背景にあったのは“選民意識と上から目線”(井上トシユキ/ITジャーナリスト)
【2024年 芸能界ネット炎上事件簿】#3 SNSに「夏場の男性の匂いや不摂生してる方特有の体臭が苦手すぎる」と投稿、1000万を超える閲覧を数えたことで大炎上となったのが川口ゆり(30)。夏真っ盛りの8月8日のことだ。 徳光和夫が騎手引退の藤田菜七子を擁護するも、世間の賛同は得られず“老害”扱い 男性にのみ言及したことを非難する反応に、そういう話ではないと反論したことで余計に反発を招き騒動が拡大。ついには、所属していたアナウンサー事務所と提携先の講師派遣会社から契約を打ち切られてしまった。さすがに厳し過ぎるのでは、と擁護の声も上がったが奏功せず。それどころか、なかなか炎上は収まらなかった。 ポイントは主にふたつ。ひとつは、川口がアナウンサー、ハラスメント講師との肩書を使っていたため、プロにあるまじき暴言と捉えられたことだ。準公人扱いされ炎上の標的にされたとの指摘はすでに見られるが、それ以上にハラスメント研修が得意だと自ら投稿、吹聴していたことで墓穴を掘った感が強い。運輸、インフラ設備という「汗をかく現場仕事」の会社を担当していたことに加え、「気付かぬうちに不快にさせることが誰しもある」との川口の反論が、「おまえが言うな」とばかりに格好の餌食となった。 さらに、過去の投稿に自意識過剰なもの、いわゆる意識の高いものが目についたことも燃料となり炎上を長引かせた。 2019年、恋人の存在をSNSで明らかにしたら「異性からのいいねが減った」が「同性や年下からのフォロワーは増えた」と謎の自慢を披露、騒動直前の24年4月にも「アナウンサーからスタートアップに行く方は増え」たが逆は初めて見たと言われ、「自分でもそう思う」と自画自賛。20年4月には「批判コメントする方」は「いろいろとつらいのだろう」が「自分で放った言葉はそっくりそのまま自分に返ってくることを私は知っている」と、謎の上から目線で見事なブーメラン予告までしていた。 実際に、これらの投稿を取り上げて、「鼻につくと言ったら失礼ですが、鼻につきます」「ユーモアのセンスありますね」「片腹が本当に痛い」とコメントする向きもあったほど。その他いちいち取り上げないが、SNS投稿に通底する嫌みな選民意識と上から目線は、MCや司会業、研修講師といった「サービス業」に従事する者の適性として以前から危険視されており、今回の素早い契約解除につながったのではないかと思わせるに十分だ。 “私の気持ちが認められずに嫌な思いをしているから世間に物申して炎上”というのは、兵庫知事選のPR会社社長や「おじさんパーカー」の女性と座標が異なるだけで、同じ承認欲求の象限にいてこじらせているだけにも見える。すべてを手に入れつつある完璧超人の私、という理想像に酔っている時が一番危ういのだ。(つづく) (井上トシユキ/ITジャーナリスト)