あなたは平均よりも服を買ってる?買ってない? 環境省が発表したデータから見る"ファストファッションの闇"
ファストファッションの普及により、トレンドアイテムがスピーディかつ格安で手に入るようになった現代。アイテムの選び方や扱い方によっては長く着用できるものの、多くの服がリサイクルされずに捨てられている。選択肢が増えた今、ファッションを持続可能にするためにできることとは--。 【写真】1週間で東京都と同じ面積の森林が消失...。数字で学ぶ地球の危機
生涯で必要な衣服の数は?
2022年に“生涯で必要な衣服の数”を公開した、イギリスのサステナブルファッションブランド「Rapanui(ラパヌイ)」。同ブランドによると、一生を通して※必要な衣服はたったの149着だという。(※イギリスで成人とされる18歳以降の平均寿命、63.2年間に必要な衣服。) たとえばTシャツやトップスの寿命は2.74年、要するに約63年間で23着あればいいという計算に。アイテムの選び方や扱い方によっては、想像しているよりも長く着続けることができるよう。
多くの衣服が破棄されている現実
2022年に環境省が発表したデータによると、1人あたり(年間平均)の衣服の購入枚数は約18枚。そして約15枚を手放し、着用されない衣服は35枚もあるという。手放す際は古着として販売をしたり、譲ったりする人もいるが、68%は可燃・不燃ごみに出されているよう。 またリサイクルを専門とする非営利団体「エレン・マッカーサー財団」の分析によると、現在世界では年間9,200万トンの衣類が捨てられており、リサイクルされるのはたったの約8分の1に過ぎないという。 こういった情報や有識者の発信により、サステナブルなブランドやアイテムに注目する人も増えたはず。以前に比べサステナブルなアイテムを取り扱っているブランドもよく目にするようになったものの、そのときのトレンドアイテムをより手軽にゲットするため、ファストファッションを選択する人もまだ多くいるはず。労働環境などを問題視する声が上がっていると認識しているが、比較するとサステナブルなアイテムは高価なので、結果ファストファッションを手に取る人も少なくない。 『Fast Company』誌によると、多くのサステナブルブランドは、天然繊維を含むより優れた耐久性のある生地を選んでいるためコストがかかってしまうとのこと。また過剰生産を防ぐため、少量で生産していることもコストが高くなる理由だという。しかし低品質の生地で作られた衣服は長持ちせず、多くの人が捨ててしまうため、品質の良い素材でつくられたアイテムを購入するのも地球にやさしい選択になるよう。