共有持ち分、再建築できない… 増える〝ワケあり不動産〟に着眼 相続に介入し、空き家問題を解決する「ネクスウィル」
再建築不可を可に変える
一方、再建築不可の物件はどうか。一般にはこうした物件の相場はなく、二束三文でたたきき売るしかないと思われている。 丸岡社長は「例えば、隣地から2㍍接道するように土地を買わせてもらうと、前面の土地をまるまる買い取らせてもらうとかを交渉し、再建築できるようにすることで価値を高め、再度市場に流通させている」と説明する。
離婚時見据えないペアローン
相続のトラブルに加え、最近では高額物件を夫婦で購入するペアローンのトラブルも多い。夫婦で半分ずつローンを組む手法だが、象徴的なのは5、10年後に離婚してしまうケースだ。 「どちらが住宅を所有するかの話になり、所有する側は相手の残りのローンをかぶらないといけない。売却するにしても不動産価格が上がっていれば残債を完済できるのだが…」と丸岡社長は明かしながら、「販売時に不動産業者がペアローンの説明をしすぎ。相続のでも『誰かが売りたくない』と言えば、『とりあえず安易に共有名義にしておきましょう』とその場しのぎをする。本当は現金化して分ければいい。もめたときに解決する不動産業者がいない」と問題点を指摘する。
空き家問題解決へ
空き家が年々増加の一途をたどっている。この問題を解決するための相続登記が義務化されたが、この義務化によって処分に困る空き家問題がより顕在化されることが予想される。 このため、同社では空き家マッチングサイト「空き家のURI・KAI」を開設し、無駄な仲介を省いて、売りたい人と買いたい人をマッチングさせるプラットフォームを提供している。 同社では現在、年間100~120件のワケあり物件を解決に導いている。「不動産会社でも聞きなれない共有持ち分という問題が今後、ますます増えていく。ワケあり物件の問題を解決していくことで、社会問題となっている空き家の問題を解決していきたい」と話している。