「日野日出志グレイトワークス」幻の作品「水の怪物」を単行本初収録、石野卓球が推薦
寺井広樹編著による日野日出志「日野日出志グレイトワークス」が、9月25日に太田出版より発売される。帯には石野卓球が推薦文を寄せた。 【幻の作品】これが作者本人の手元にも残っていなかったという「水の怪物」だ 「日野日出志グレイトワークス」では、平成初期に執筆され幻の作品となっていた「水の怪物」が単行本初収録される。「水の怪物」は蒼馬社のホラー誌・スーパーホラーで発表されていた作品「あしたの地獄 -2020年地球発-」の第2話にあたる作品。同シリーズは計4本が執筆されているものの、原稿が残っておらず、掲載誌自体も希少であるためこれまで日野本人の手元にすらない状態だった。関係者経由で「水の怪物」掲載号が入手できたことから、単行本化が叶ったという。スーパーホラー掲載ページのインクが緑色だったことから、「日野日出志グレイトワークス」でも「水の怪物」のページには緑色インクが使用され、当時の色味が再現されている。 そのほかの作品は「赤い花」「泥人形」「ウロコのない魚」「幻色の孤島」「赤い蛇」がラインナップされ、巻末には朝宮運河によるエッセイ「いつか見た怖い夢」、寺井広樹による解説も収められる。価格は税込2200円。 ■ 石野卓球推薦コメント 子供の頃、無意識に “恐怖” “悲哀” “妖艶” を 同時に体験し学んだのがこの作品群だった。 そして大人になった今でもその衝撃は変わらない。 まごうことなきマスターピース! ■ 朝宮運河(巻末エッセイより) 夢想の世界を描いているからこそ、いっそう怖くて美しい。多くの人を魅了してやまない日野作品の魅力も、まさにこれなのではないか。われわれ日野ファンは作品のページを捲るたび、いつか見た悪夢の光景に出会う。そしてその恐ろしさに打ち震えながら、思い出した!と叫ぶのだ。失われていた記憶をついに取り戻した「ウロコのない魚」の少年のように。