戸田和幸氏「アジアを戦いながらW杯で勝つ難しさ」指摘
決勝トーナメントの戦いが繰り広げられているサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会。残念ながら日本はその舞台にはいない。攻撃的なサッカーを掲げながら、W杯という大舞台で「自分たちのサッカー」を十分には発揮できないまま、グループリーグで敗退してしまった。日本はこれからどんなサッカーを目指して、どう戦うべきなのか。トルシエ・ジャパンでボランチを務めた元日本代表の戸田和幸氏に聞いた。
今回の日本代表の3戦について、戸田氏は「W杯で他の国々と比較して、日本の攻撃的サッカーは際立ってはいなかった」と語る。ザッケローニ監督の就任以来、攻撃的サッカーを目指してきたが本番では表現できなかった。ただ、コンフェデ杯のイタリア戦などを挙げ、「4年間の中ではいい試合もあった。はっきりと攻撃のところで立ち向かえた試合もあった」とも評価。それだけに今回の日本の戦いぶりを残念がる。 今大会は、日本をはじめとしたアジアのチームがすべてグループリーグで敗退した。アジアは欧州や南米に比べて近くに強豪がいない。今回の結果はこうした環境面が背景にあると見る向きもある。「ヨーロッパも南米もアフリカも、その大陸の予選を通じてせめぎ合っているものが、そのままW杯につなげていけるレベル。アジアの中での競争のレベルと、W杯のレベルが少し違うんだなと感じざるを得なかった」。 そのアジアと世界との差によって、日本代表はある種の“モードチェンジ”を強いられることになる。戸田氏は「アジアを戦いながら、いかにW杯で勝っていけるチームづくりをしていくかという難しさ」を指摘する。