弘前大病院、12月からオンライン診療 むつ総合病院(青森県)の患者診察 通院、医師派遣の負担軽減へ
青森県弘前市の弘前大学医学部付属病院とむつ市のむつ総合病院は12月からオンライン診療を始める。むつ病院にいる患者が弘大病院の医師からオンラインで診察を受ける。むつ・下北地域から弘大病院へ通院する患者とむつ病院に派遣している非常勤医師の負担を軽減する。診療開始に向け20日、デモンストレーションを行った。 同日、弘大病院で会見を開き発表した。本年度は消化器外科、消化器内科、血液内科から診療を始め、来年度以降、徐々に診療科を増やしていく予定。 むつ病院では患者に、弘大病院に通院するかオンライン診療にするかを確認。患者がオンライン診療を選べば12月から利用できる。 両病院では10月に機器の設置を始め、準備を進めてきた。弘大病院は他の病院のカルテに記載をすることができるシステムを本年度初めに開発。オンライン診療開始の決め手となった。 むつ・下北地域から弘大病院へ通院する患者は2023年度、延べ2500人を超えている。移動で患者の身体的負担や付き添い家族の負担も大きい。また弘大からむつ病院に派遣している非常勤医師は1カ月延べ100人超。患者、医師ともに負担軽減を図る。 デモンストレーションでは、両病院をオンラインでつなぎ、弘大病院にいる消化器外科医が、むつ病院の患者役の職員を診察する形で行った。2人はパソコンのカメラを通じて画面越しにやりとり。むつ病院側でも画面越しでスムーズに会話していた。手術への検査日程の打ち合わせなど、声も明瞭に聞こえていた。 福田眞作学長は東奥日報の取材に「むつ病院以外とのオンライン診療での連携の予定はある。将来的には遠隔手術の実施も検討している」と述べた。