松山・城山土砂災害「斜面崩壊は中腹部から」 調査速報会で愛媛大研究者Gが仮説(愛媛)
松山城城山の東側斜面崩壊による土砂災害について、愛媛大研究者グループは28日、2回目の調査速報会を愛媛県松山市文京町の同大で開催。森伸一郎特定教授(地震・地盤工学)は崩壊のメカニズムについて、勾配が緩やかになる中腹部に側方などから水が集まり起点になったとの仮説を示した。複数の研究者も地形分析から崩壊斜面について、下流に向かう途中で複数の谷が合流する集水地形になっていると指摘した。 研究者グループによると、崩壊した斜面は長さ約250メートルで、勾配は上部が約40度で、中腹部から約20度と緩やかになっている。森特定教授は、緊急車両用道路の直下にあり傾斜が急な約40メートルの区間は表層土の多くや伐採後の樹木根が残っており、当時は土壌に水分が飽和して土砂崩れが起きるような状態ではなかったと指摘。一方、勾配が緩くなる境界付近では、斜面脇に江戸時代に造られたとみられる石垣があり、上部では落ち葉や表土がないなど水の流れた跡を確認でき、天守などから流れてきた可能性があるとした。
愛媛新聞社