「裸電球」がまぶしかった!昭和の家族団らんを照らし続けた暖かな白熱電球
電球交換の思い出
白熱電球は、使っている内に突然切れる。中のフィラメントが次第に細くなっていき、切れると寿命なのだが、電球交換の時には注意が必要だった。切れたからといって、すぐに電球に触ると、その熱さで火傷してしまう。また、電源を切ってから交換しないと、指先にビリビリきてしまうこともあった。外した電球を耳元で振ってみると「シャリシャリ」と、切れたフィラメントの欠片が中で音を立てた。その電球が「使えない」ことを再確認する、何やら電球交換の"儀式"のようだった。
時代の波と共に…
蛍光灯が登場し、白熱電球と共に使われるようになった。明るさが際立っていた上、突然切れることもなかった。長く白熱電球を作り続けてきた大手メーカーも、2010年(平成22年)に製造を終えて、白熱電球120年の歴史に幕を下ろした。現在は、蛍光灯から、さらに寿命の長いLEDへと、照明器具は変遷している。 過ぎ去りし昭和の時代、家庭の団らんに明かりを灯し続けたのは、白熱電球だった。一人暮らしのアパートの部屋で励ましてくれたのも「裸電球」だった。その暖かい色は、そんな思い出を、今も懐かしく、そしてまぶしく、照らし続けてくれているようだ。 【東西南北論説風(480) by CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】 ※『北辻利寿のニッポン記憶遺産』 昭和、平成、令和と時代が移りゆく中で、姿を消したもの、数が少なくなったもの、形を変えたもの、でも、心に留めておきたいものを、独自の視点で「ニッポン記憶遺産」として紹介するコラムです。 CBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』内のコーナー(毎週水曜日)でもご紹介しています。
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