社会人入団後に大化けしたふたりの遅咲き投手 シーズン本格スタートでスカウトたちに猛アピール中
大卒2年目となる今季は、プロ入りへの思いを秘めてマウンドに上がる。 「プロを目指してはいますが、まだ結果を残せていないので。常廣や下村と同じところで投げるには、もっとレベルアップしなきゃいけないなと思います。少しでも近づけるように、上を目指してやっていきます」 【課題は立ち上がりのピッチング】 ドラフト会議で指名される選手は、年齢的に大卒2年目がひとつの区切りになる。だが、実際には毎年大卒3年目以上の実力者もプロへ進むケースがあり、即戦力として活躍する「オールドルーキー」も多い。 スポニチ大会で優勝したHondaには、昨年から中心投手として活躍してきた岡野佑大という右腕がいる。 帝京大から入社3年目。今年で25歳になるが、投手として順調に階段を上がっているだけにドラフト指名される可能性は十分にある。 最大の特徴はストレートの球威だ。捕手のミットを破壊しそうなほど、激しい捕球音が球場に鳴り響く。球速以上に強さを感じる、プロレベルの球威の持ち主だ。岡野本人も「ストレートは1年目から徐々によくなってきています」と手応えを深めている。 それでも、昨秋はプロ球団からの調査書は届かなかった。昨年までHondaのコーチ、今季から監督を務める多幡雄一監督は言う。 「昨年から大車輪で投げてくれましたが、立ち上がりの投球を課題にしていて。昨年の都市対抗でも立ち上がりにボールが暴れてしまって、四球から崩れてしまいました」 昨夏の都市対抗初戦は象徴的だった。トヨタ自動車との好カードだったが、岡野は2回1/3を投げ、5三振を奪ったものの4失点で早期降板している。岡野は「2アウトを取ってからの投球」をカギに挙げた。 「2アウトを取ってから、3人目への投球を課題にしています。都市対抗では初回に2アウトからフォアボールを出してしまって、あっぷあっぷになってしまいました。視野が狭くなって、練習でやってきたことが出せませんでした」