tofubeats「十二指腸潰瘍、痔、パニック障害になって…」突発性難聴を克服して迎える34歳の現在地…売れてる人の“体力”を目の当たりにして活動方針を変えた
tofubeatsの不健康遍歴 #1
今年で34歳を迎え、デビューから11年となるDJ、音楽プロデューサーのtofubeats。EP『NOBODY』をリリースし、5年ぶりの全国ツアーを控えるなど、精力的な活動を続ける。彼はデビュー前後に十二指腸潰瘍をはじめとして、数々の体調不良を引き起こしていた。本インタビューでは、前後編の2回にわたってその「不健康遍歴」がtofubeatsの音楽活動にいかに影響を及ぼしてきたのか、振り返っていく。(前後編の前編) 【画像】ネット世代のカリスマとして大学生ながら彗星のごとく現れたtofubeats
ネット世代のカリスマとして台頭…その裏で体調不良
──今年でデビュー11年目ですけど、デビュー前後の時期に、かなり体調を崩してましたよね。 tofubeats(以下同) 21、22歳ぐらいで十二指腸潰瘍になって、痔にもなって。内臓が悪いことによって、パニック障害にもなっちゃって。 ──まだ神戸にいた頃ですよね。大学生活の終わりで、メジャーデビューする前の時期。十二指腸潰瘍はストレスが原因で? いや、原因が見当たらなかったんですよ。インディーで「水星」のシングルを出してて、大学生にしてはそこそこ稼いでて、親もまだまだ元気やし。 原因が見つからないことで、より調子が悪くなっていったっていうのもありました。 そのとき、病院で先生に「自分で知覚できるようなものはストレスではない」と言われたことが印象に残ってるんですよね。いつのまにかストレスが蓄積して、病気になるのか、と納得したというか。 それで治療の一環で、環境を変えた方がいいかなと思い、実家を出ました。その頃から、自分で料理をするようになりましたね。胃に優しいものしか食べられないから、おかゆとか作るしかなくて。豆腐とか別に好きでもなんでもなかったんですけど、病気になってからめっちゃ食うようになって「こんな名前にした呪いや……」って思いましたね(笑)。 当時「カブチネ(歌舞伎町マルチネフューチャーパーク)」っていうイベントに出演したんですけど、普通に楽屋で気絶してしまって。これは結構ヤバいんじゃないかってことで、そのときインターンで入ってた会社の内定も辞退してDJも当分休養、って感じでしたね。唯一、GraphersRock(tofubeats作品のアートワークを手掛けているデザイナー)のイベントだけDJしましたけど。 当時の映像が残っててこないだ見ましたが、ガリガリでびっくりしました。そもそも、しんどすぎてプレイした記憶がないんですよ。 そういうことがあって、「普通に就職して、会社に通うのってムリやな~」と思いました。本当に一番しんどいときって、電車とか乗ってても辛くなっちゃうんですよ。パニック障害があると、オフィスに行くっていうことがまずできないんですよね。 だからフレックスとかリモートワークみたいなことをわりと早い段階から考えてました。時代を先取ってます(笑)。