落語 VS. 狂言の「笑えない会」 桂よね吉と茂山千五郎が稀曲や大ネタで真剣勝負
上方落語家の桂よね吉と京都の大蔵流狂言師、茂山千五郎の二人会「笑えない会」が12月28日、京都市中京区のヒューリックホール京都で開かれる。毎年難曲や上演機会が少ない稀曲にあえて挑戦し、互いの芸で笑えないくらいの真剣勝負をする会で、今回は狂言が稀曲「抜殻(ぬけがら)」、落語は大ネタ「胴乱の幸助」を披露する。 「抜殻」は狂言ではおなじみのキャラクター、太郎冠者の飲酒での失敗談。千五郎は「せりふのやり取りや酒を飲むさまなど段取りが多くて時間がかかる曲なので、単調にならないようにやりたい」と気を引き締める。 「胴乱の幸助」はけんかの仲裁が一番の楽しみという男が、当時はやっていた心中物の浄瑠璃「桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)」を真実と信じたことから騒動を巻き起こす噺。 「浄瑠璃のことも分かっていないと難しい噺で、入門から10年や20年でやると張りぼてになってしまう」とよね吉。満を持しての挑戦に「今まで自分が見聞きし、調べてきたものがやっと合致してきた。納得しながらできるようになったと思う」と自信を見せた。午後1時開演。茂山狂言会事務局(075・221・8371)。(田中佐和)