仙台・百貨店で「お歳暮」商戦ピーク 定番の笹かま堅調、地元名産品や東北の銘菓も人気
仙台市内の百貨店で歳暮商戦がピークを迎えている。今年も定番の笹かまぼこ関連商品をはじめ、地元の名産品や東北各地の銘菓が人気を集める。クリスマスや年末年始に自宅で楽しもうと購入する傾向も定着。「歳暮」の様相は変わりつつある。(経済部・水内杜子) 藤崎は青葉区の本館7階に14日、ギフトセンターを開設。約1700点を取り扱い、うち約400点を展示する。例年通り、笹かまぼこ関連が堅調。29日時点で、売れ筋の上位5商品のうち、4商品を笹かまぼこの詰め合わせが占めた。 目玉は地元食材を使った料理のギフト。「田んぼ豚味噌(みそ)漬け」(4801円)は、宮城県登米市の料理旅館「三浦屋」の三浦克仁氏が、登米市産の豚ロースを使って上品に仕上げた。 仙台市のイタリアンレストラン「パリンカ」が監修の「宮城地産地消海の幸ギフト」(1万2960円)は、宮城県南三陸町産のタコや海藻バターを使用した海鮮料理の詰め合わせだ。 最近は、電子レンジで簡単に調理できる商品の引き合いが強い。火を使うことに不安がある高齢の親族などに贈る際、重宝されている。焼き過ぎといった失敗を避けられる利点もある。 ギフト担当の大江田識名(しきな)さんは「冷凍やフリーズドライの商品もレストラン料理と同じくらいおいしい。年末に家族で食事を楽しんでもらいたい」と話した。 仙台三越は15日、青葉区の本館7階にセンターを設置した。2469点を扱い、921点を展示する。 東北の名産品を取りそろえた「むつめくTOHOKU」コーナーが今年も好評だ。白謙蒲鉾(かまぼこ)店(宮城県石巻市)の「笹かまぼこ献夢詰合せ」(12個入り、5400円)、米国のクラフトビールメーカー、グレートデーンブリューイングの醸造所(仙台市)の「秋保クラフトビール3種詰合せ」(6本入り、3850円)などを用意する。 江戸時代後期の浮世絵師、歌川広重や葛飾北斎らの名画をパッケージに使った商品を並べた「きもちギフト」も好調。せんべいや焼き菓子など誰にでも喜ばれる「王道」がそろう。いずれも少量で大半が2000円未満の価格。複数購入する人やリピーターもいるという。 ギフト担当者は「歳暮の形にとらわれず、クリスマスや年始の贈答用に利用してほしい」と呼びかける。 藤崎と仙台三越は12月20日までセンターを設ける。
河北新報