「これなしには生きられない」…アフリカを掌握した中国の3つの神器(2)
◇Spotify? アフリカでは「Boomplay」! アフリカの人々のリズムに大きな影響を与えている音楽ストリーミングはSpotify(スポティファイ)ではなく「Boomplay(ブームプレイ)」だ。Boomplayは中国スマートフォンメーカー「伝音科技(Transsion Holdings)」が自社スマートフォンの競争力を高める手段として「自分の音楽ストリーミングサービス」を搭載してみようというアイデアから始まった。 伝音科技は中国インターネット企業の網易(NetEase)とともにトランスネット(Trassnet)という合弁会社を設立し、2015年ナイジェリアでBoomplayサービスを開始し、SpotifyとApple Music(アップルミュージック)のアフリカ進出が停滞状態の時に市場掌握に成功した。 ブームプレイサービスがアフリカ大陸で受け入れられたのはそのアクセスのしやすさにある。カウンターポイントリサーチによると、伝音科技は昨年10-12月期、中東・アフリカ地域で初めてサムスン電子を抜いて市場シェア1位を占めた。アップルのiPhone、サムスンのギャラクシースマートフォンに比べて伝音科技のスマートフォンが相対的に安いことが功を奏した。伝音科技の「TECNO POP 7」と「Camon 20」は150ドル未満(約2万4000円)に価格が策定されている。普及型スマートフォンで自主的に再生可能なストリーミングサービスが無視されるはずがない。Boomplayのユーザーは昨年12月基準で9000万人以上だ。ポップ、ロック、アフロポップ、レゲエをはじめとする多様なジャンルの音楽1億 2000万曲を聞くことができ、「広告なしでリスニング」「曲数制限なしでリスニング」「オフラインダウンロード」の他には無料で音楽再生が可能だ。 ◇アフリカのデジタルテレビ転換をリードした中国企業 四達時代(StarTimes)はアフリカ市場で最も影響力のある中国デジタルテレビ事業者だ。アフリカ30カ国以上に子会社を置いていて、ユーザー数は2000万人に達する。 1988年中国で胎動した四達時代は2002年にアフリカに事業を拡張した。2002年でさえアフリカでデジタルテレビは少数の人々だけが楽しむ贅沢だった。2007年四達時代はルワンダ高位官僚と「デジタルテレビの普及」に対する協議を通じてルワンダで許可を受けた最初のデジタルテレビ事業者になった。四達時代は大規模な低価格戦略で現地ユーザーから選ばれるようになった。従来は設置費用200ドル、月間購読料50~100ドルラインで形成された既存サービス価格を、四達時代は初期設置費用10ドル、最小テレビパッケージ(10個以上のチャンネル提供)月間購読料を1ドルに下げた。 それだけでなく、四達時代は完ぺきなアフター・サービス(AS)システムをアフリカに導入した。アフリカ国家の不安定な電圧と電気周波数のためデコーダーやテレビSTB(セットトップボックス)がよく故障したがASを提供する会社はなかった。四達時代はユーザーのかゆい部分に手を伸ばして信頼を獲得し始めた。 四達時代はアフリカ各国のインフラ、テレビ放送および受信のデジタル化を含めてデジタル地上波テレビネットワークを長い時間をかけて構築し、結果的にアフリカのデジタルテレビ市場を掌握した。四達時代がアフリカ大陸に提供したのはインフラだけではない。中国のテレビ番組およびドラマなどがアフリカ現地言語で放映されたおかげで『西遊記』の孫悟空、『宮廷の諍い女』の主人公の甄嬛はアフリカで認知度が高いという。アフリカに対する中国の掌握力が財貨を越えて文化まで拡張しているという評価だ。