理想のレーサー像を目指して……大湯都史樹、新天地のトヨタ&セルモで再出発。来季は「着々と、一歩一歩」
12月12日、TOYOTA GAZOO Racingが2024年シーズンの国内レース参戦体制を発表した。ホンダ陣営からの移籍が噂されていた大湯都史樹は、セルモからスーパーGT(GT500クラス)、スーパーフォーミュラの両カテゴリーに参戦することとなった。 【ギャラリー】スーパーフォーミュラ 合同/ルーキーテスト 2016年のSRS(鈴鹿サーキット・レーシングスクール/現ホンダ・レーシングスクール鈴鹿)で首席となった大湯は、2020年にスーパーフォーミュラ、2021年にスーパーGT・GT500にステップアップ。2023年はARTAでGT500初ポールポジション、初優勝を記録し、スーパーフォーミュラでは新体制のTGM Grand Prixからの参戦で、2度のポールポジションと1回の表彰台を記録した。SFでは他車との接触や負傷欠場、最終ラウンドでの様々な憶測を呼ぶ欠場など、色々な意味で誌面を賑わせた大湯だが、その強烈な速さを改めて誇示した1年でもあった。 そんな大湯は2024年シーズンに向けて、ホンダ陣営からスーパーGTのオファーは受けていた模様。ただスーパーフォーミュラに関しては2023年の時点で自ら移籍を希望して資金持ち込みでのシート獲得という道を歩んでいたという背景もあり、同陣営からの継続参戦は難しい状況にあったようだ。 結果的にトヨタ陣営に移籍し、新たなチャレンジを始めるチャンスを得た大湯。その背景について、次のように説明した。 「来季がどうこうというよりも、やはり自分がレーサーとして目指す姿に一番近い選択肢を選びたかったんです」 「そういう意味でも、海外に挑戦するとか、ドライバー像としてこういうのがやりたいとか……そういったイメージが合致したのがトヨタだと思っています」 同じくトヨタ陣営から移籍する福住仁嶺同様、大湯からも“海外”というワードが飛び出したが、本人曰く海外カテゴリーにチャンスが広がるという点だけが移籍の理由ではないといい、これまで積極的に取り組んでいるモータースポーツを盛り上げるための活動、そして自らがモットーに掲げる「速さにこだわる」を実現する活動をする上でも、幅が広がるのではないかと述べた。 「僕は色んなことをやりたいですし、運転手として(速さを)極めたいと思っていますが、そこの裾が広がるところに行きたいと思いました」 坪井翔の38号車をドライブしたスーパーフォーミュラの合同/ルーキーテストでも上々のタイムをマークしていた大湯。来季はゼッケンナンバーこそ39号車となるが、チームによると車体やエンジニアなどは坪井の38号車の体制が引き継がれるという。そんな来季の抱負について大湯は「そうですね……来年は着々と、一歩一歩、ですかね」と控えめに笑った。
戎井健一郎
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