英雄マラドーナの「悲しすぎる末路」。稀代の天才はなぜ独り寂しく世を去ったのか【現地発】
都市ナポリの「守護聖人」は宗教的な崇拝の対象だった
2020年3月のマラドーナ。昨今は自力歩行が困難なほど衰弱していた。11月3日に脳血腫の手術を受けて、退院後の25日に亡くなった。(C) Getty Images
訃報を受けてイタリアからアルゼンチン取材に飛んだクロゼッティ記者は、現地でマラドーナの偉大さのみならず、「悲しすぎる末路」の顛末を知ったという。稀代の天才はなぜ、寂しく世を去らなければならなかったのか。(文:マウリツィオ・クロゼッティ/訳:片野道郎 2020年12月17日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― イタリアとアルゼンチンは、ディエゴ・アルマンド・マラドーナの死(11月25日)に直面して、自分たちが深く結びついた兄弟のような存在であることを改めて実感している。 この史上最高のフットボーラーは、キャリアで最も充実した時期をナポリで送り、南イタリアの中堅クラブに史上初のスクデット、そしてUEFAカップなどのトロフィーをもたらした。ナポレターニ(ナポリの人々)にとってマラドーナは、サッカーの神様で
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