別府市で12月から県内初「日本版ライドシェア」スタート タクシー全8社が中心部と北部で導入 市は自治体主体の運行案取り下げ
夜間帯のタクシー不足の解消を目指し、大分県別府市のタクシー全8社が12月から「日本版ライドシェア」を始める。大分運輸支局によると、県内で「日本版」の導入は初めて。市民や観光客の移動手段の確保につながるか注目される。市タクシー協会の山口巧会長は「タクシー不足で利用者に不便をかけ申し訳ない。少しでも解決できれば」と話している。 同協会によると、タクシー不足が顕著とされる市中心部と北部地域を中心に運行する。時間帯は月―土曜の午後4時台~翌午前5時台。 各社のタクシー車両計10台を用意する。稼働台数は曜日によって変え、月―木曜が2台、需要が多い金曜に10台、土曜に8台。 車両上部の社名表示灯は外し、専用のステッカーを張る。会社ごとに一般ドライバーを雇用し研修する。 各社共通の配車アプリを準備し、事前に迎車場所と目的地、運賃を確定する。運賃はタクシーと同程度。支払いは現金、キャッシュレス両方に対応できるようにする方針。開始日は未定で、忘年会シーズンまでの導入を目指す。 山口会長は「タクシーのみで需要に対応できるようにするのが最終目標。一朝一夕に状況を好転させるのは難しいため、ライドシェアの制度を活用して不足を補いたい」と語った。 × × × 市は9月、市が実施主体となる「公共ライドシェア」を市中心部と北部地域で12月から開始する考えを示していた。「日本版」の導入を受け、市は案を取り下げた(北部地域は継続協議)。市によると、導入費用の補助や広報などで市も協力する。市企画戦略部は「推移を見守りたい。少しでも改善したと思ってもらえるようなサービスになれば」と期待した。 【日本版ライドシェア】タクシー会社の管理の下、一般ドライバーを活用して運行するサービス。タクシーが不足する地域や時間帯で実施が認められている。4月に東京都や京都府などで始まったのを皮切りに、全国へ広がりつつある。