女性興行師を演じる北川景子

　女優北川景子（38）が、来年放送のテレビ朝日系ドラマ「花のれん」で主演を務め、女性興行師（プロデューサー）を演じることが22日、分かった。作家・山崎豊子さん生誕100年を記念し、同名の直木賞受賞作を映像化。北川は〝日本エンターテインメント界の母〟といわれ、現代のエンタメ戦略の土台をつくり上げた人物に挑む。 　「花のれん」は、「白い巨塔」「華麗なる一族」など数々のベストセラー小説を生み出した山崎さんの初期の代表作。山崎さんは吉本興業の創業者・吉本せいさんをモデルに同作を書き上げた。明治から昭和の激動の時代に〝女性プロデューサー〟の先駆けとなった希代の女性興行師・河島多加（北川）が主人公。多加は大阪・船場の呉服店に嫁いだものの、夫・吉三郎は怠け者で経営が傾き夫婦で寄席商売を始める。吉三郎が他界し、夫がのこした借金のためより一層寄席に注力し、持ち前の根性と商才で寄席小屋を拡大していく。 　北川は「大地の子」「二つの祖国」など山崎さんの作品を読んでおり、実家には山崎さんの文庫本がそろっていたので中学時代には夢中になって読んでいたという。敬愛する山崎作品に初挑戦となり「まさか自分が」と驚きながらも大喜び。 　多加は窮地を救ってくれた男性客に恋心を抱く場面もあり、妻として、息子・久男の母として、さらにひとりの女性としてエネルギッシュに時代を駆け抜ける。21歳から晩年まで40年の半生を演じる北川は「朝、子ども時代の久男とかるたで遊ぶシーンを撮影したと思ったら、夜には成長した久男に召集令状が舞い込むつらい場面を撮るなど、朝夕で一気に年齢を重ねる状況があるので、毎日が〝激動〟です」と明かす。「1シーンごと体当たりで挑むのが精いっぱいの日々ですが、それだけ多加の人生が激動かつ濃密だったんだなと感じています」と語っている。 　〝日本初の女性プロデューサーの一代記〟といえるドラマに、北川は「涙あり笑いありのあっという間の2時間になると思います」と手応えを感じているようだ。