【霞む最終処分】(45)第8部 デブリの行き先 説明会で工法周知 所在・総量「推測の域」
◇ ◇ 東電によると、3号機のデブリは原子炉圧力容器内部には少なく、ほとんどがより下部の格納容器に溶け落ちたとみられている。デブリの在りかや総量はあくまで推測の域を出ない。更田も「どこにどれだけのデブリが、どんな形であるのかが分かっていない」と得られている情報の量や確度の乏しさを認めている。 原子炉建屋内は福島第1原発の構内でも放射線量が極めて高い。気中工法は、全ての工程を遠隔で行う必要がある。原子力や土木、建築など各分野の専門家10人による小委では一部の委員から遮蔽(しゃへい)性の高い水を用いる冠水工法を推す声もあった。全会一致の結論とならなかった辺りに、最難関とされるデブリを取り出す道のりの険しさがにじむ。(敬称略)