地下鉄新駅構想「早うやらな」 名古屋・河村たかし市長
名古屋市の河村たかし市長は20日午前、名古屋市役所で定例会見に臨んだ。名古屋市営地下鉄東山線の名古屋駅―伏見駅間で構想されている「柳橋」地区の新駅について「物理的にはできる。調査費も付いている。早うやらな」とした上で、周辺にパチンコ施設を計画している民間業者などと調整する意向を示した。
幻の「柳橋駅」構想
地下鉄東山線は1957年に開通。名古屋駅からは約1キロ離れて1駅目の伏見駅があり、2駅目が市内最大の繁華街・栄になる。名古屋駅と伏見駅間の「柳橋駅」も着工時に検討され、柱の間隔や線路の構造は駅仕様にされたが、採算性などの面から実現はしなかったとされる。 一方、柳橋地区は小規模ながら中央市場があり、名古屋駅から一足伸ばした盛り場として知られてきた。しかし、近年は周辺地区に比べた再開発の遅れが課題になっていた。 河村市長は2014年3月の定例市議会で、柳橋の新駅構想に前向きな姿勢を表明。2018年度から構想の具体化に向けた調査費を予算に計上していた。2027年に予定されるリニア中央新幹線の開業を控え、柳橋地区のインフラ整備に国の補助金が活用できるようになったことも追い風と見られている。
中核ビルがパチンコ店に
ところが、昨年10月に柳橋中央市場の中核施設だった「中央水産ビル」が老朽化などを理由に閉鎖。今年に入り、跡地を三重県のパチンコ会社「キング観光」が取得し、パチンコ店や飲食店が入る複合商業施設に建て替える計画が明らかになった。 河村市長は「東京で言えば有楽町のように、歩いても電車でも行ける場所。市場には伊勢湾のうみゃー(うまい)海産物がそのまま入ってきている。パチンコ店もいいが、できれば“うみゃーもんの極楽”として雰囲気を出さないかん」と提言。新駅構想は周辺の再開発とセットだと強調した。しかし、パチンコ業者とはまだ話し合いなどをしていないことを明かし、「一回行ってみないかんね」と述べた。 (関口威人/nameken)