玉置周啓(MONO NO AWARE)が選ぶ「2024年のTOP3」
2024年も残すところわずか。音楽ナタリーでは、さまざまなアーティストに今年印象的だった3つのトピックを紹介してもらう年末企画「2024年のTOP3」を実施。第6回となる今回は今年発表の最新アルバム「ザ・ビュッフェ」が好評を博したMONO NO AWAREのボーカル&ギターで、Podcast番組「奇奇怪怪」のパーソナリティとしても人気を集める玉置周啓に2024年を振り返ってもらった(※トピックは順不同)。 【写真】八丈島に伝わる“高速マイムマイム”を踊る観客たち ■ ・「アングル」いい感じ 今年出したアルバムの中でも思い入れの強い1曲を、写真家の小見山峻さんの手腕をお借りして映像化することができました。世の趨勢、あり得た可能性、多様性、その先に事実として存在する自分の人生。それを常に強い意思で選び取ってきた人の、シャッターを切るという神聖な瞬間を垣間見ることができて嬉しかったです。 ■ ・「同釜」いい感じ 曲が完成する前からMVの企画会議を始め、構想だけを伝えた黒柳勝喜監督からのフィードバックには、伊丹十三「タンポポ」がありました。素晴らしい映画で、楽曲の空気にも大いに影響を与え、映像にも多少反映させて欲しいと要望しました。その後、「りんご音楽祭」の楽屋で突然呂布カルマさんに話しかけられ、今年ベストビデオだったと言われて嬉しかったです。 ■ ・「マイムマイム」いい感じ 故郷八丈島でのワンマンライブが無事成功に終わりました。多くのお客さんが飛行機や船で来てくれて、島民も中高生から友達の父母まで来てくれて、最後みんなで地元に伝わる高速マイムマイムを踊ってもらいました。サークルモッシュと言っていい。見られる俺達と見るお客さんという構造から解放されて、それは特殊な時間で嬉しかったです。またやりたい。 ■ 2024年を振り返って ベースの竹田が復帰して、いいアルバムできたので一旦大丈夫です。Spotifyまとめ見てたらファーストアルバム聴いてくれてる人もまだ結構いるので、そういうのに回帰したいかも知れないですね。社会を反映したテーマとかは一旦大丈夫そうです。聴いてて気持ちいい音楽を粛々と作ってみたい。集中して頑張れば、来年も一旦大丈夫だと思います。今年もありがとうございました。 ■ プロフィール 東京都八丈島出身。MONO NO AWAREのボーカル&ギター。2020年4月からは同バンドのギター加藤成順とのアコースティックユニット・MIZとしても活動している。MONO NO AWAREとして2024年6月に5thアルバム「ザ・ビュッフェ」を発表し、全国ワンマンツアーを実施した。TBSラジオ「脳盗」、Podcast番組「奇奇怪怪」のパーソナリティとしても人気を集める。