人事は「6秒」しか職務経歴書を見ていない…転職で「書類選考の壁」を突破するために「最初の5行」に書くべき要素
転職活動で求められる職務経歴書はどのようなことを書けばいいのか。転職ライターの安斎響市さんは「会社によっては、1人当たり6秒しか職務経歴書を見ない人事もいる。最初の5行でいかに『面接に呼びたい』と思わせるかが勝負だ」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、安斎響市『転職する勇気 「強み」がない人のための転職活動攻略マニュアル』(扶桑社)の一部を再編集したものです。 以下は、新卒4年目で転職を考える田中君(26)と、AIアドバイザー「転職デビル」の会話の一コマである。 ■職務経歴書の書き始め方 「応募する求人の選び方は、なんとなく分かった気がするんだけどさ」 「何だい、またネガティブ田中かい?」 「もういいよ、それは。問題はさ、職務経歴書だよ」 「何が問題なんだい?」 「転職デビルはさ、僕の自己PRスキルの低さを完全に見くびっているんだよ。僕の職務経歴書はひどいよ?」 「変なところで威張るなよ、ネガティブだなぁ、もう。どれどれ、見せてごらんよ」 そう言われて、僕は作成途中の職務経歴書のPDFファイルを、スマホアプリにアップロードした。 「判定! ジャカジャカジャカジャカジャカ……デデン! 0点! なんだこれは?」 「だから、ひどいって言ったじゃないか」 「ひどいも何もさ、1行も書いてないじゃないか。真っ白だ」 「書いてるだろ? 氏名と連絡先」 「おいおい、ネガティブ田中。これは職務経歴書じゃなくて、『氏名と連絡先』だろ。そりゃ0点が出るよ」 「しょーがないじゃないか! 何を書いていいか、さっぱり分からないんだから! 僕だって書こうとしたよ、したんだけど、全然言葉が出てこないんだよ、ずーーーっと白紙とにらめっこだよ」 「ひどい、なかなかにひどい……」 「いいよ。笑えばいいさ、僕のことを。どうせ僕には無理なんだ、転職なんて」 ■職務経歴書は「最初の5行」に魂を込める 「あのねぇ田中君、せっかく応募企業選びのことをいろいろ教えてあげたのに、全然ポジティブになれてないじゃないか」 「ポジティブになんてなれないよ。職務経歴書が白紙なんだから。これじゃ、応募企業が見つかったって応募できないし」 「仕方ない、教えてあげよう、この転職デビルが。職務経歴書はね、最初の5行だ。冒頭5行に魂を込めるんだ」 「悪魔が『魂』って言葉を言うと、なんだか気持ち悪いな。魂を抜き取られそう」 「くだらないことを言ってるんじゃないよ。いいかい? 一番上の『概要』の5行だ。そこでほとんど書類選考の通過は決まる」