墨の美60点、多彩に 県書美術連盟選抜作家展
いしかわ秋の芸術祭文化絢爛(けんらん)「石川県書美術連盟選抜作家展」(一般財団法人県芸術文化協会、同連盟、北國新聞社など主催)は2日、金沢市の北國新聞交流ホールで開幕した。連盟役員が思い思いに墨の美を表現した60点がずらりと並び、来場者が濃淡の映える意欲作を前に、書の味わい深さと「芸術の秋」を感じ取った。 漢詩や和歌など、幅広い題材をさまざまな書体でしたためた力作が寄せられた。参与の中山秋水さんの「踏張る」、遠藤邑石さんの「道歌」、山﨑桂川さんの「都を恋ふる」などが存在感を示した。 いずれも副理事長の中田飛泉さんは「天寒筆硯清」、堀井聖水さんは「秋」を出品し、洗練された線の美しさや繊細さで来場者の目を引いた。 能登半島地震を受け、鎮魂と復興へ願いを込めた力強い書のほか、紙の色などにこだわった、個性の光る作品も展示された。会場は午前中から鑑賞者でにぎわい、県内書壇をけん引する出品者の秀作に、熱心に見入る姿が目立った。 会期は6日まで。入場料は600円。