年間の収集3万件…自治体が「粗大ごみ」をメルカリで販売 福井県福井市
福井県福井市は5月29日、福井市収集資源センターに持ち込まれた粗大ごみから再利用可能なものをフリーマーケットアプリ「メルカリ」で販売する取り組みを始めた。棚や楽器などをアプリ内の自治体ショップで販売し、売り上げを各地区団体が行う古紙などの集団資源回収の奨励金に充てる。 【画像】メルカリに開設された福井市の自治体ショップ画面 若手職員の提案を事業化する市「チャレンジみらい予算」の一環。まだ使えるものが持ち込まれたり、使用できないが部品取り用にと粗大ごみを探す人が同センターに来たりしたことなどを契機に、職員6人でつくるプロジェクトチームが再利用に着目した。メルカリを活用する他自治体の取り組みを参考にした。販売価格から手数料などを除いた金額が収入となり、本年度は25万円ほどを見込んでいる。 この日は市役所で発表会が開かれ、ギターや一輪車など実際の出品物を前に西行茂市長がアプリ内に同市の自治体ショップを開設した。同市の粗大ごみ収集件数は増加しており、ここ数年は年間3万件を超えている。西行市長は「市民にアピールし循環型社会の機運を盛り上げる一助になる」とあいさつした。 メルカリで粗大ごみのリユースに取り組むのは福井市が12自治体目で北陸では初。行政や学校の備品販売なども含めると34自治体あり、徐々に広がりを見せているという。メルカリ経営戦略室の伊藤亮太政策企画参事は「ショップでの販売がカーボンニュートラルや循環型社会推進の第一歩になり、我々がサポートできれば」と述べた。 プロジェクトチームの岡田知子副主幹(46)は今回の取り組みをきっかけに「粗大ごみに出す前に、自分でもフリマサイトに出品してみて再利用につなげてもらいたい」とリサイクル意識の高まりを期待した。同市ショップでの販売は同センター引き取りのみ。29日時点で収納ボックスなど20品が出品されている。
福井新聞社