スティーブ・ジョブズ「人と同じ経験をするな」の真意とは?脳科学をヒントに知能を高めるコツ
大きな成功を収めたとき、大抵の場合は運がよかったことが大きいと研究でわかっていますが、幸運の女神に微笑みかけられたときにそれに応える準備がないとだめですね。(この女神、筆者のことはチラッと馬鹿にしたように見てくれるだけなのですが、それはさておき) だからこそ、成功にもっとも必要なことは何かと問いかけると、普通返ってくる答えは…才能。努力。スキル。リスクをとる能力。あとは、知能でしょう。 普通に考えて、頭のいい人が「勝てる」というわけです。 ただ単に「知識がある」というだけではだめ。 知能にもいろいろなかたちがあり、結晶性知能(知識や事実、数字を知っている、教養がある)はそのうちの1つにすぎません。 というのも、「知識」があるからといって「スマート」であるとは限らないからです。豊富な知識があっても、それを使えていない人を数多く知っています。
「独自の経験」が重要
新しい情報を学んで記憶、それに基づいて問題解決できる。あるいは新しいスキルを習得、既存の知識を新しいものでアップデートできる。つまり知能を発揮できる力、いわゆる流動性知能が重要なポイントになってきます。 スティーブ・ジョブズはスピーチで次のように述べています。 おもしろいのは、頭脳明晰な人間がいると、まずは高校に進学して次は大学にも…という、お決まりの進路を周りがすすめること。 ところが、この頭脳明晰な人間が課題に直面すると、多種多様な経験から得た知識を使って独自の方法で問題解決したり、窮地を脱したりするのです。 大事なのは、独自の経験を積むことなんです。皆と同じような経験しかしていなければ、同じような発想の関連付けをするだけ。目新しい発想でなにかを関連づけたり、経験と経験を結びつけたりできるようにはならないのです。 変化に富んだ経験を積めば積むほど、新しい発想でこれまでになかった関連づけができるようになるでしょう。だからこそ、ジョブズはこうも述べました。 あなたがしなければならないのは、人とは異なる経験を得ること。革新的なコネクションを作るには、2つの経験を結びつけるには、みんなと同じ経験をしないことです。 教育のみに重きを置くことの問題は、ここなのです。 確かに、教育を受けることは簡単ではないものの、わかりやすいことでもあります。講義を受け、本を読み、知識を吸収する。知識は豊富になっていくものの、周りと同じような経験をするばかりであることは、ジョブスが述べたとおりです。