救済制度の審査に『1年半待ち』ワクチン後遺症訴える患者「症状の苦しみ」と「医療費」の負担「推奨した責任として患者に寄り添うのは最低限取るべき姿なのでは」
新型コロナウイルスのワクチンは、これまでのべ4億3500万回の接種が行われてきた(首相官邸HPより)。そんな中、ワクチン後遺症を訴える女性を取材した。症状の苦しみだけでなく医療費の負担が大きく、国の救済制度を申請するも、国の処理が追いついておらず、救済措置を受けるまでに長い期間を要する現状に直面している。 【写真で見る】「予防接種健康被害救済制度」とは?医療費などが給付されるまでの流れ
5回目のワクチン接種後に異変「杖を使っても40mしか歩けない」
去年12月、奈良市の近鉄大和西大寺駅で車いすの女性がマイクを握っていた。 (街頭で話す倉田麻比子さん)「すがる思いで病院に行っても『ワクチンとは関係ない』と言われて取り合ってもらえない。国は今なお安心安全をうたいコロナワクチンの接種を推し進めようとしていますが、接種後に健康被害に遭っても国は速やかな救済や補償はしません」 倉田麻比子さん(42)。新型コロナワクチンを接種して以降、下半身に力が入らなくなり、自由に歩くことができなくなった。 奈良県内で夫と娘2人と暮らす倉田さん。去年1月、5回目のワクチン接種直後に激しい頭痛や高熱に襲われ、その後に異変が起きたという。 (倉田麻比子さん)「2023年1月13日に接種してから1月20日に自分で立てなくなって、自分では40mくらいしか杖を使っても歩けないという状態ですね。あとはけん怠感がすごく強いのと、頭痛もありますし、めまいもあります」
今は家の中を壁伝いに歩くのがやっとだ。手にも力が入らないためペットボトルのキャップを開けることもできない。 出産を経て34歳で看護師になった倉田さん。病院での勤務のためワクチン接種をしていたという。5回目の接種の2か月前に夫の剛史さんが撮影した動画では、手足を大きく使ってボルダリングを楽しむ様子が確認できる。 症状は改善することなく仕事を休まざるを得なくなった。その姿を一番近くで見てきた夫はこう話す。 (夫 剛史さん)「(接種直後は)2~3歩ほど歩いて手すりにもたれかかって息をつきながら、そしてまた2~3歩歩いて、この繰り返しをずっとやっているんですよ。悪くなる一方だから、これはもう最悪な状態やわ、と思っていました」