ブランドが転売を支援? 持続可能なファッションの未来を後押しする「The Resell Tag」の挑戦
「The Resell Tag」は広告代理店「UNCLE GREY」のクリエイティブ・チームによって創業したサービスになります。
洋服の転売は、全ての人が“Win Win”になれる魅力的なシステム
ーThe Resell Tagのアイディアはどこからきたのでしょうか? 前提として、近年では洋服の転売がますます一般化してきています。 理由は、環境にも優しく、売り手はいらなくなった洋服を売ってお金を得られ、新しい所有者は欲しかった洋服を手に入れることができるため、全員にメリットがあるからです。 その一方で、オンラインで洋服を売るために魅力的な商品写真を撮り、商品の詳しい説明を作成するという一連の作業は手間がかかることも事実で、それを面倒だと思うことには共感もできます。 簡単に、手間をかけずに新しい所有者に洋服を届けられたらという思いから「The Resell Tag」がスタートしました。私たちのシステムでは「Samsøe Samsøe」というファッションブランドに転売システムを落とし込み、できるだけ簡単にシームレスな再販を可能にすることを考えました。 これは「Samsøe Samsøe」の洋服に付けられた二次元コードをスキャンをすることによって、簡単に別のオーナーに洋服を譲るシステムが出来上がるというものです。 ーThe Resell Tagのメカニズムについても教えてください。 「The Resell Tag」は「Samsøe Samsøe」のアイテムのスキャンコードを使うことから始まります。 各アイテムにデータセットがあり、スキャンをして必要情報を入力、承認をすると自動でFacebook広告とInstagram広告が出来上がる仕組みになっています。 広告はターゲティングされた人々の目につくようになっているため、シームレスに洋服を売ることができるんです。
持続可能なファッションシステムの構築にかかる責任は、消費者が負うべきものもある
ー現在ファッション業界が抱える洋服廃棄や環境問題について、どのようにThe Resell Tagのサービスに反映されていますか? ファッションという産業をより持続可能なものに転換するには、生産側が責任を持つことだけではなく、洋服を使う消費者たちも、その使用方法に責任を持つ必要があると思うんです。 それでも消費者は購入した洋服を十分に着用しなかったり、まったく着用せずに放置したりする傾向が残念ながら増えています。 そのため、ファッション産業自体を持続可能にすることに限界があると感じるのも事実ですが、ブランドサイドと消費者サイドが責任を共有し、循環できるシステムを可能にすることで、世界中の膨大な廃棄物や汚染から地球を救うことができると信じています。 「Samsøe Samsøe」はデザインと品質面でクオリティの高いものを生産し、透明性があり、倫理的な生産をすることで全店舗においてテーラーによる修理サービスを提供するなど、生産者としても責任感のあるサービスに積極的に取り組んでいます。