【阪神】4盗塁走られ放題…岡田監督嘆く「けん制もせえへんもん」バッテリーの警戒心の低さ指摘
<広島7-5阪神>◇4日◇マツダスタジアム 鯉に走られ放題で3連勝逃した! 阪神が1イニング3盗塁を含む今季ワーストの4盗塁かき回され、8回に一挙4点を勝ち越された。藤本定義監督を超える虎将単独1位の通算515勝がお預けになった岡田彰布監督(66)は「けん制もせえへんねんから」と隙だらけのバッテリーにおかんむりだ。勝てば首位広島に1差に迫れたが、再び3差に広げられて3位に後退。甲子園に帰るきょう5日のDeNA戦は、スカッとメモリアル勝利を飾りたい。 【写真】羽月の勝ち越し生還を横たわりながら見つめる梅野 ◇ ◇ ◇ 走られまくった。3-3の8回1死一、二塁。代わったばかりの3番手石井が、石原に投じた初球だった。二走羽月に隙を突かれて三盗を許し、足で好機を広げられた。その後1死一、三塁とされ、今度は野間にも間髪入れず二盗を決められた。敵地は一気に押せ押せわっしょい。そして2死満塁、堂林への初球スライダーは痛恨のワンバウンド。暴投で羽月に勝ち越しのホームに滑り込まれた。もはや、緊張の糸が切れたかのように堂林に2点打を浴び、代わった浜地も代打二俣に適時打を浴びて計4失点。あっけなく勝負は決した。 岡田監督も当然、おかんむりだ。「けん制もせえへんねんから。初球あれだけやられてるのに、けん制もせえへんもん」。代走で登場した羽月は、直前の1死一塁でも島本が投じた初球に二盗を成功。この回3盗塁と、好き放題にやられた。もっとけん制を入れておけば…。勝負どころで隙だらけだったバッテリーの警戒心の低さを、ぶぜんと指摘するしかなかった。 3連敗阻止に燃える新井監督の果敢な足攻めに防戦一方だった。初回からエンドランを何度も仕掛けられた。4回無死一塁では一塁走者坂倉に走られ、大きく空いた三遊間に野間にゴロを転がされて左前打。走者の走力関係なしに作戦を遂行してきた。初回に秋山に許した二盗も含め、1試合4盗塁は今季最多だった。 配球もカギは「初球」だった。初回に村上が先頭秋山に右前に運ばれたのは初球。二盗を許し、2番矢野の適時打で開始9球で先制点を献上した。村上は4月30日にも、敵地で秋山に初球先頭弾を浴びている。岡田監督は「前と一緒やんか。(過去に)初球秋山にホームラン打たれて。同じことやんか。初球、初球って」と厳しい表情。打線は2回に3得点で一時逆転したがもう一押しも足りなかった。 「次、1点取らんとやられるでって、3回から言うとったよ。何の細工もないもんな、やられるパターンや、こんなもん。見とったら分かるやろ。1点取らんかったらやられるでって。3回に言うたわ、3回に」 勝てば首位広島に1ゲーム差に迫れたが、3連勝ならず再び3差に開いた。巨人と同率3位に転落。岡田監督の阪神監督単独トップとなる通算515勝もお預けだ。5日からは甲子園に戻り、2位DeNAと3連戦。しっかり聖地で立て直したい。【中野椋】 ▼阪神が1試合で4盗塁を許したのは、今季ワースト。23年8月15日広島戦(マツダスタジアム)で、野間、大盛、矢野、菊池に4盗塁されて以来。