職場のパワハラ上司が「年収1200万円」と聞きました。そこまで仕事ができるわけでもないのに高年収なのに納得がいかないのですが、実際どれだけ優雅な生活なんでしょうか?
超パワハラでそれほど仕事ができない、大嫌いな50代上司の年収が1200万円と知ったら「納得いかない!」という気持ちを抱く人もいるでしょう。不満とともに「1200万円ももらって、一体どれだけ優雅な生活を送っているのか?」とその生活水準が気になりもします。 本記事では、配偶者と2人の子がいる年収1200万円・50歳の人の生活収支を試算、現実的に優雅な生活が送れるのかどうか、検証します。
年収1200万円の手取りは約840万円
年収から社会保険料や税金を差し引いた手取り額は、一般的に7割から8割程度になります。年収1200万円の場合は、約840万円から約960万円ということになりますが、日本の所得税は累進課税制度となっていることから年収が高いほど高率で所得税がかかるようになっています。そこで、本記事での手取りは840万円として計算を進めていきたいと思います。 手取り年収840万円は、月々70万円の現金収入がある計算になります。日本人の平均年収458万円(国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査より)から考えると、とても大きな金額ですね。
上司の1ヶ月の支出
上司は男性50歳とし、家族は専業主婦の妻と大学生の子ども2人(下宿生)、マンションの住宅ローンを支払い中と仮定します。1ヶ月の支出は大きく分けて、生活費、住宅ローン、大学生2人への仕送りの場合で計算してみましょう。 ■生活費 総務省統計局の家計調査「世帯主の定期収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」によると、月収70万円から80万円未満の家庭における1ヶ月の消費支出の平均は約46万円となっています。これには教育にかかる授業料や教材費なども含まれています。 なお、次項で住宅ローンを加算するので、約46万円に含まれている「住居費約2万円」は除いて約44万円として考えます。 ■住宅ローン 30歳で購入した自宅の住宅ローンは4500万円の35年返済とし、年利はフラット35の1.96%(2023年11月金利情報)とします。65歳で完済なので、まだまだローンは残っています。住宅金融支援機構が提供しているローンシミュレーションによると、毎月の返済額は約15万円(ボーナス払いなし)です。 ■仕送り代 下宿で大学に通っている2人の子どもへの仕送り代を計算します。全国大学生活協同組合連合会の調査によると、仕送りの平均額は2022年で約7万円となっています。子ども2人で月約14万円です。なお、月々の消費支出44万円に含まれる教育費の平均は約4万7000円です。 学費が安いとされる国立大学の1年間の授業料は約54万円、月額換算で4万5000円です。子2人が国立大学に進学していたとしても平均の倍となる約9万円で、私立大学であればさらに学費は膨らむと予想されます。