坂口有望、全国ワンマンツアー完走「10年先も、20年先も、希望を歌っていくアーティストでありたい」
坂口有望の全国ワンマンツアー【DA!DA!DA! tour】のツアーファイナルが、12月20日渋谷CLUB QUATTROにて開催されオフィシャルライブレポートが到着した。 その他の画像 前半の神奈川・宮城・札幌・広島・熊本・福岡・香川公演はアコースティック編成にて3人編成、後半の東名阪CLUB QUATTRO公演はバンドの5人編成でのパフォーマンスとなった。 令和発技巧系DTMerの“しがない高校生”が制作したツアーのオリジナルSEが流れ、【DA!DA!DA! tour】にちなんで、坂口の色々な表情彩る“DA!”が収録されたミドルテンポのサウンドエフェクトによって、カラフルなグラデーションの照明とともに会場の期待感を煽る。 オープニング楽曲は強く歪んだエレキギターのフレーズとともに会場を包み込むようなバンドサウンドが合図となり、坂口の第一声「今夜あなたのせかいいちになりたい!」と1曲目から強い想いの伝わる「せかいいち」からスタート。透明感のある歌声とサビの広がりから客席全体に広がり、観客の心を一瞬で掴んだ。2曲目には昨年TVアニメ「ホリミヤ -piece-」のエンディングテーマを務めた、坂口定番曲となるミドルテンポでポップなナンバー「URL」をオーディエンスの手拍子とともに会場を盛り上げ、自身の小柄なルックスから見た男性の大きなサイズ感を表現した恋愛ソング「XL」を心地良いビートに乗せて歌い、徐々にステージと観客の距離を縮めていく。 MCでは、坂口の学生時代に書いた人気曲「紺色の主張」と「厚底」を会場にいる観客の拍手で多数決をとろうとするが、どちらも同数の拍手が起こり、突如、観客の声援の大きさで決定。思春期から大人になる葛藤と自身の目線や感情が成長する過程を独自に描いた「厚底」を披露した。 「今回DA!DA!DA!ツアーということで、今回はDA!DA!DA! ガールズという名前がついておりまして。ツアーの10本中7本は3人でまわっていて、最初の7本回ってないほうの二人とやりたいなって思って」とMCを挟み、カワノアキ(Ba.)とYuumi(Dr.)と坂口の3人でアコースティックギターにのせてロックなナンバー「セントラル」を披露した。TVアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のエンディングテーマとなった楽曲で、会場のボルテージを更に加速させた。 「次の曲は、このツアーの初日横浜の前日に書き上げたできたて新曲です。このツアーを通して一人で歌ってきたんですけど、渋谷を歩いているときに、もう会われんくなったひとのことを思い浮かべたりとか、あの人元気にしているのかなぁとか、また会えたらいいのになぁとか思っちゃうことってすごく人間らしさの一つだなと思うんですけど。たまたま渋谷を歩いていて、その日すごく低気圧で頭が痛い時に、見たことないくらい真っ黒の蝶々が飛んでるのをみたときに、あ、これあの人かもなって、会いに来てくれたんかもなって思った瞬間があって、その人を忘れないようにと思って書きました。」と思いを語り、未発表曲の「黒蝶(仮)」を歌った。アコースティックギターと歌だけとは思えない一言一言が突き刺さる歌詞を全力で歌い上げる坂口のパフォーマンスに全てのオーディエンスは静まり返り彼女の存在感に魅了された。 続けて、全国7本を3人編成で回ってきた鈴木栄奈(Key.)とひぐちけい(Gt.)と坂口でキャッチーなメロディーと絡み合うエレキギター、温かいでピアノで彩る未発表曲「絆創膏」を披露。その後、カワノアキとYuumiが戻り、このツアーで初のバンドアレンジ未発表曲「長さ」、坂口の歌声が切ないメロディーとともに深いリバーヴで会場を包み込み、恋愛の距離感を強いメッセージに込めて書いた楽曲を聞き入るオーディエンスからは涙が零れた瞬間に。相手との距離難しさや切なさや溢れ、感動的な空間に包まれた。 3曲連続で披露された未発表曲の余韻に浸りながら、ライブは一転してダンサブルでアップテンポな楽曲へ。4年前にリリースした2ndアルバムの中から「あっけない」を披露すると、ビートにのせて体と揺らす観客や手拍子でリズムにのり、手をあげたり、バンドのアンサンブルを楽しんだりと、それぞれのスタイルで会場が沸いていく。坂口初のTVアニメオープニングテーマ曲「LION」では力強いドラムのビートと共に、坂口の歌声とガールズバンドとは思えない圧倒的なバンドサウンドで、オーディエンス全員が手を挙げ、坂口とバンドの熱量が客席へじわじわ伝わっていく、高校生時代に書いたライブの定番曲「musician」は歌詞に込められた「音楽があなたを救いますように」と言う歌詞が会場へ響き、改めて観客へ届いた瞬間に全体を優しく包み込むような坂口の歌声と笑顔が観客の心を照らし、場内に快晴の瞬間を生み出した。 坂口がMCで「さっきmusicianを歌っていて、音楽で人を照らしたいんだなって、自分の曲に教えてもらった気がします。ありがとうございます!」と話すと、大きな拍手が巻き起こった。「これから10年先も、20年先も、希望を歌っていくアーティストでありたいと思います。引き続きよろしくお願いします!」と話し、「ユニークなタイトルですけど、世界がもっと穏やかで愛に包まれるように、平和を願って書いた曲です。受け取ってください!」と語り、今年9月に配信した最新曲「アンババババランス」はイントロで坂口がこのツアーから使い始めたパステルグリーンの鍵盤ハーモニカを奏で、ガールズバンド全員でのコーラスや。ビブラスラップ、タンバリンなど多種多様な楽器を演奏しながら、早いビートにのせ、エネルギッシュなパフォーマンスが炸裂した。 デビュー当時からファンには定番の楽曲、坂口の代表曲であり、メジャーデビュー曲の「好-じょし-」、今年6月に配信リリースした「女兼-いや-」は四つ打ちのリズムに合わせて、失恋の想いをポップに歌い、暗い気持ちを吹き飛ばして元気をもらえるような楽曲で軽快なメロディーとともに観客を楽しませた。最後の「Life Goes On(仮)」では、現代の若者が悩むであろうSNSやコンプレックスのある部分に寄り添って綴った歌詞が、観客一人一人の心に語りかけるようなメッセージが届けられ、その歌詞に観客が共感した。 場内では大きな拍手が巻き起こり、坂口が赤いリボンを身に着け、バンドメンバーとともに再び登場。アンコールは2020年にリリースされたシングルのカップリング曲「クリスマスエレジー」寒い季節にエモーショナルなメロディーと恋人とは会えない切ない歌詞とともに、バラードをしっとりと歌い上げた。まるでクリスマスプレゼントのような歌声を届けた後、「私の音楽が、みんなの人生と繋がれた気がします。初めて来た人も、私の心の友達です。また会えますかね? 心を込めて、「radio」という曲を。」と語りアンコール最後の曲に。坂口の歌声と軽やかなビート、熱く歪んだエレキギターで始まる「radio」会場は再び盛り上がり、観客全員が手を挙げて一緒に歌い、大盛況の中ツアーファイナルを終えた。