「老齢化した大統領を見捨てる」イギリスメディアが“予言” テレビ討論会で“失態”のバイデン氏に撤退求める声相次ぐ
民主党トップによる“バイデン撤退”への布石か
今後、民主党の「大物」がどう大統領に引導を渡すかだが、私が気になったのはこの「予言」がなぜ米国のマスコミでなく英国の大衆紙にスクープされたのかということだ。 党派性が際立つ米国のマスコミを避けたのであれば、この情報は党利党略の思惑なしに受け止められることをねらってリーク(漏洩)されたものと考えられる。つまり、民主党のトップ周辺が、バイデン大統領に見切りをつけて撤退の布石を打ったのではないかと思わせた。 そうであれば、すでに後任の腹づもりもできているはずだが、デイリー・メールの記事は、筆頭候補であるべきカマラ・ハリス副大統領は民主党内部で反対論が強いという情報通の話を紹介し、「それでは誰が後を継ぐのか?」とだけに留めている。 ちなみに、現在名前の上がっている次候補者についてニュースサイトのドラッジレポートのアンケート調査では、これを書いている時点で次のようになっていた。 ギャビン・ニューサム カリフォルニア州知事(56)22% カマラ・ハリス副大統領(59)13% ヒラリー・クリントン元国務長官(76)11% グレッチェン・ウィットマー ミシガン州知事(52)10% それ以外 41%(いずれも小数点以下切り捨て) 「それ以外」が曲者だ。私はオバマ元大統領夫人のミシェル・オバマさん(60)以外にはいないと思っているのだが、バイデン大統領とはウマが合わず選挙応援も避けていたと言われる。そのミシェルさんの名前を出して、大統領の機嫌を損ねて撤退を渋ることを避けるために今は「それ以外」なのかもしれない。 いずれにせよ、討論会以降民主党内ではデイリー・メールが伝えた筋書き通りに事態が推移しているようで、このまま行くとバイデン大統領が大統領選を撤退することになるのだが……。 【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】 【表紙デザイン:さいとうひさし】
木村太郎