（写真：アニメ！アニメ！）

『カードキャプターさくら』『xxxHOLiC』『魔法騎士レイアース』ほか多様な作品を世に送り出してきた創作集団CLAMPの原画展「CLAMP展」が、2024年7月3日から9月23日まで国立新美術館（東京・六本木）にて開催。このたびプレス内覧会が行われたので、いち早くその魅力を堪能してきた。本稿では、その様子をレポートする。 【フォト】「CLAMP展」の様子を見る ■CLAMP35年の“創作のすべて”を堪能できる展覧会 CLAMPとは、少年マンガ、少女マンガ、青年マンガを横断して多様な漫画作品を世に送り出し、またときには漫画という枠を超えて独自の表現を追求し続けてきた女性4人による創作集団。 国立新美術館で開催されるマンガ家の個展としては2回目となる本展は、デビュー作『聖伝-RG VEDA-』から最新作『カードキャプターさくら クリアカード編』までの23作品を網羅した約800点のカラー・モノクロ原画を展示する、これまでにない大規模なものに。 「C」「L」「A」「M」「P」を頭文字とした「COLOR」「LOVE」「ADVENTURE」「MAGIC」「PHRASE」「IMAGINATION」「DREAM」の7つのエリアでCLAMPの世界を巡る展覧会となっている。 展覧会のスタートを彩る「COLOR」エリアには、CLAMPの商業誌デビュー作『聖伝-RG VEDA-』から最新作『カードキャプターさくら クリアカード編』まで、23作品のカラー原画200点以上が展示されている。 私がCLAMP作品に夢中になっていたのは小学生の頃、『魔法騎士レイアース』がはじまり。作品への思いと同時に、当時の思い出まで蘇って来て、懐かしさに思わず目頭が熱く……。 しかし、35年前から圧倒的な画力を持っていたことに驚き！ その技術の高さを生原画で堪能できるエリアとなっていた。 続く「LOVE」エリアは、「CLAMPが描く愛」にフォーカスし、作品を広く横断しながら愛にまつわるシーンを集めている。 色々なかたちの「愛」を描いているCLAMP作品。「こんな愛のかたちがあるんだな」と幼い私に教えてくれたのもまたCLAMP作品だった。 代表的なのが、『カードキャプターさくら』なのではないだろうか。桜ちゃんに対する知世ちゃんの想い、桃矢と雪兎さんの関係など……「愛」は異性間だけに生まれないものではない。さらに、それが当たり前に描かれている。今でいう「多様性」というものを私に教えてくれた。 「ADVENTURE」エリアは、代表作『聖伝-RG VEDA-』『東京BABYLON』『魔法騎士レイアース』『X -エックス-』『カードキャプターさくら』『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の6作品の漫画本編の原稿が350点以上展示されている。 CLAMPは掲載誌や読者層によって作品の絵柄を変えてファンを楽しませてくれている。そのテクニックのすごさを間近で感じられるエリアとなっている。 CLAMP作品を読んだときの「魔法にかけられたような体験」を映像展示によって表現された「MAGIC」エリアでは、巨大な壁に3種類の映像を投影。数々のキャラクターが登場し、来場者自身が作品の中に入ったかのような没入感を味わうことができる。 そのエリアをくぐると現れる「PHRASE」エリアでは、CLAMPが紡いできた様々な「言葉」の力にフォーカス。 この銀のボックスの中には、CLAMP作品に登場する印象的なセリフの数々が入れられている。シールとなっており、壁に貼って楽しむことができる。持ち帰ってもOKだ。 「IMAGINATION」エリアでは、CLAMPの“奇跡”が生み出した35年の軌跡をたどることができる。こうして年表にまとめられたものを見ると、連載が重なっている時期の多さよ！ これに加えて企業とのコラボや、アニメーションのキャラクターデザインなどにも携わっているのだと思うと本当に驚きを隠せない。35年間、多忙な中で私たちに素敵な作品を届け続けてくれて本当にありがとうございます……！ そして、「CLAMP展」の最終章「DREAM」のエリアでは、本展覧会のためにCLAMPが描き下ろした、阿修羅とさくらのカラーイラスト原画を展示。このイラストには、CLAMPの“はじまり”から“いま”、そして未来へと続いていくという思いが込められている。 なお、『xxxHOLiC』の四月一日君尋役、『ANGELIC LAYER』の小林虎太郎役、『コードギアス 反逆のルルーシュ』のルルーシュ・ランペルージ役などCLAMP作品との縁が深い福山潤が、同展の公式ナビゲーターを担当。福山の音声にガイドされながら展示を見て回ることができるのだが、それは休憩エリアでも。 福山とCLAMPの貴重なエピソードが語られていたので、休憩エリアの音声もしっかり聞き逃さないようにしていただきたい。 「CLAMP展」は、7月3日～7月5日までは【開幕記念特別観覧日】となっており、限定チケット所有の方のみ入場可能。7月6日より一般公開されるので、CLAMP作品に一度でも触れたことのある方はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。 ■タイトル：CLAMP展 ■会場：国立新美術館 企画展示室2E 　　　〒106-8558　東京都港区六本木7-22-2 ■会期：2024年7月3日（水）～9月23日（月・休） ※休館日：毎週火曜日 【開幕記念特別観覧日】7月3日（水）～7月5日（金） ※7月3日（水）～5日（金）は開幕記念限定チケットをお持ちの方のみご入場いただけます。 開幕記念限定チケットの申込は終了しております。 〈前期展示〉7月3日（水）～8月12日（月・休） 〈後期展示〉8月14日（水）～9月23日（月・休） ■開館時間：10:00～18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで ■主催：国立新美術館、CLAMP展製作委員会 ■協賛： 株式会社ローソンエンタテインメント、TOPPAN株式会社、株式会社メトロアドエージェンシー ■後援：六本木商店街振興組合 ■観覧料(税込)： 一般2,100円、大学生1,400円、高校生1,000円　ほか ※詳細は展覧会ホームページをご確認ください。 （C）CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. （C）CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD.／講談社 （C）CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. （C）CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD.／CLAMP展製作委員会