[山口県]住民ら憤り「ササユリ」300株掘り返される 盗掘や獣害の可能性 周南市鹿野上
周南市鹿野上の長野山緑地公園で、自生する山野草「ササユリ」約300株が掘り返された跡が見つかった。盗掘や獣害の可能性があり、地元住民や観光客から「悔しい」「残念」などと憤りの声が上がっている。 長野山(標高約1015メートル)の山頂にある「天空カフェ」を訪れた客が17日、掘り返された跡を複数発見した。翌18日も別の場所で咲いていたササユリがほとんど掘り返されていたという。同公園の管理人、山崎文夫さん(55)は「夜は誰もいないことがあるので、24時間監視することは難しい」と話した。 同公園では約20年前から地元住民が元々自生していたササユリの種をまいて、少しずつ数を増やしてきた。鹿野地区では有数のササユリの名所として人気があり、公園内の自生区画にはロープを張り「採取禁止」などの看板を立てて守っていた。 ササユリを目当てに県外から訪れる観光客もいるという。同公園の指定管理者、長野山生活改善実行グループの安永芳江さん(84)は「みんなでかわいがって育ててきたので腹が立つ。何てひどいことを。お客さんも残念がっている」と怒りをあらわにした。 ササユリは本州中部から九州の山地や森林で自生するユリの一つ。6月から7月の梅雨時期に白やピンクの花が咲き、現在は見頃を迎えていた。