花咲港小のインクルーシブ教育 市内外から視察相次ぐ
北海道根室市の根室市教育委員会と花咲港小学校が今年度から取り組んでいる「インクルーシブ教育」。道内では先進的な事例だけに、市内外から自治体や教育関係者らの視察が相次いでおり、昨年4月から今年1月末までで約160人を数えている。市内外から同校への入学問い合わせもあり、将来的な根室移住の可能性も広がるなど、教育面だけでなく、まちづくりの観点からも注目されている。 視察に訪れているのは道内の自治体や教育機関、議会関係者のほか、市内の幼稚園から高校の関係者や保育士、介護福祉課職員、民生児童委員など。市内が約100人、市外が約60人を数える。2月に入っても視察は続いており、9日には根室の姉妹都市、富山県黒部市から自民クラブ(辻泰久会長)の6人が来校した。 波岸克泰教育長は、ドイツ発祥のイエナプランを参考にした「誰も取り残さない」というインクルーシブ教育の根室モデル導入の経緯を説明。港小の久保木聡校長は、導入後1年未満ながら複式学級の利点を生かした異年齢集団が多様性を認め合いながら自発的な学習意欲を高め合い、学習成果を「多くの人に見てもらいたいという意欲が芽生えているようだ」と報告した。 視察団の辻会長は「素晴らしい教育だと感じた。黒部市でも特別支援教育を一層推進していくため、個人の多様性や価値観を認め合う先進のインクルーシブ教育を姉妹都市の根室市から学び、進めていきたい」と話していた。 市教委によると、障害の有無や性別、国籍などに関係なく多様性を認め合うという教育方針からか、市内外から入学に関して「受け入れ可能か」といった問い合わせがあるとし、今後も積極的に視察や問い合わせに応じていく考えだ。
釧路新聞