死刑の袴田さん再審、午後判決 戦後の死刑事件4例は無罪
1966年に静岡県清水市(現静岡市)のみそ製造会社専務一家4人が殺害された事件で、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審公判で、静岡地裁(国井恒志裁判長)は26日、判決を言い渡す。戦後、死刑事件の再審は5例目。これまでの4例は無罪判決が言い渡され、検察が控訴せず確定している。事件から58年を経て節目の日を迎えた。 袴田さんは確定前の裁判から一貫して冤罪を訴えてきた。長期収容による拘禁症状が残り、昨年10月に始まった再審公判は出廷を免除され、代わって姉ひで子さん(91)が出廷していた。 再審請求審に続き、再審公判でも確定判決が犯行着衣と認定した「5点の衣類」が主な争点となった。昨年3月の東京高裁決定は衣類に残った赤みは不自然で、捜査機関が捏造した可能性が極めて高いとして、再審開始を認めた。これに対し、検察側は再審公判で、袴田さんが犯行時に着ていた衣類だと主張し、改めて死刑を求刑。捏造された証拠だとする弁護側と真っ向から対立した。
袴田さんは2014年、静岡地裁の再審開始決定で釈放された。