“今年から年金生活の人”や“今年から再雇用の人”が申請すればもらえる給付金 年金生活者支援給付金、高年齢雇用継続基本給付金などを解説
年末は多くの「お金の手続き」が締め切りを迎える。年金額が少ない人が年内に済ませておきたいのが年金生活者支援給付金の申請手続きだ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が解説する。 【表】年金生活者支援給付や高年齢雇用継続給付など、申請すればもらえる給付金5選
「住民税非課税世帯で、かつ年金収入とその他の所得の合計額が78万9300円以下(68歳以下の場合)などの条件を満たせば、月額5310円を基準に保険料納付期間などに応じた額を受け取れます」 2019年に消費税が10%へと引き上げられたことを受けての支援給付金で、毎年、新たに条件に該当することになった人には9月頃に日本年金機構から請求書が郵送される。 「必要事項を記入して返信すれば、10月分から給付金が受け取れる仕組みです。ただし、年明け1月6日までに請求書が年金機構に届いていないと、それまでの分は受け取れなくなってしまうので、注意が必要です」(風呂内氏、以下同) 新たに年金を受け取り始める人だけでなく、働きながら年金受給していた夫が完全リタイアして住民税非課税世帯になったことにより、専業主婦だった妻が給付金の要件を満たすケースもある。そうした場合も年内早めの手続きを漏らさないようにしたい。
定年後に賃金が下がったケースは申告漏れに注意
働き続ける人のための給付もある。定年後も働く人で給料が下がった場合は高年齢雇用継続基本給付金がある。 「60歳以降の賃金が60歳時の75%未満になると、減った分の一部が雇用保険から補填されます。現役時代の賃金が月30万円で再雇用後が月18万円の場合、2万7000円が補填される。基本的に企業側が申請手続きをしますが、中小企業等では手続きが漏れることもある。 今年、定年を迎えて再雇用などになった人は早めに要確認ですし、昨年よりも賃金が下がって60歳時の75%未満になっているケースは申告漏れになりやすい。気になる点は勤め先やハローワークに問い合わせましょう」 再就職や資格取得を目指す人は、ハローワークが窓口の求職者支援制度が助けになる。 「世帯収入が月30万円以下などの条件を満たせば、月10万円の給付金を最長2年間得ながら、無料の職業訓練を受けられます。ITや医療事務、デザインなど多様な訓練コースがあり、定年後にアルバイトをしながら再就職を目指している人も給付を受けられます」 さらなるスキルアップを目指す人は教育訓練給付制度を活用したい。 「厚労大臣が指定する約1万6000種類に及ぶ教育訓練を受講・修了した場合に、その費用の一部がハローワークから支給される制度です。今年10月に助成率が最大80%に引き上げられ、最大3年間で192万円を受け取れます。雇用保険の加入者が対象ですが、給付金の拡充を機に人気資格は枠が満席になるものも多く、希望者は早めに申請すべきです」 ※週刊ポスト2024年11月29日号