上場企業の9月中間期は7・6%減益 4年ぶりマイナス、来期はトランプリスクの懸念も
上場企業の2024年9月中間決算の発表が8日、ピークを迎えた。SMBC日興証券の7日時点の集計によると、純利益の合計額は前年同期比7・6%減の15兆9140億円と4年ぶりにマイナスとなる見通し。夏場の円安一服などが重しとなった。今後はトランプ次期米大統領の経済政策が日本企業の業績のリスクとなりそうだ。 東京証券取引所の最上位「プライム市場」に上場する3月期決算企業を中心に、7日までに決算を開示した706社の業績を集計した。企業数は最終的な集計対象全体の半分。足元では為替が再び円安に振れており、通期では0・1%の増益となる見込みだ。 特に製造業が足を引っ張った。このうち自動車などの輸送用機器は33・7%減。認証不正問題による生産停止や販売台数の減少、夏場の円高も輸出に響いた。鉄鋼は中国からの安価な鋼材の流入による市況悪化が影響し、29・8%減となった。 増益の業種では、機械は生成AI(人工知能)向け高性能半導体の需要拡大の追い風を受けた。訪日客増加の恩恵を受けるサービス業や小売業も堅調だった。 SMBC日興の安田光チーフ株式ストラテジストは、トランプ氏が掲げる関税強化や働き手の減少につながる移民対策が「世界経済全体でマイナスに働くリスクがある」と指摘。トランプ氏が実際に大統領に就任するのは25年1月のため、26年3月期の業績への影響が懸念されるという。