清宮だけじゃない!ドラフト直前、名スカウトが選ぶプロで通用する10人
プロ野球ドラフト会議が行われる26日が近づいてきた。注目は早実の清宮幸太郎だが、クジを引き当てることができるのは1球団だけ。残る11球団は、単独指名、或いは、外れ1位で重要な1位枠を誰に使うかの戦略を練る必要がある。清宮以外にプロで通用する可能性の高い候補は他に誰がいるのか? ヤクルトの名スカウトとして30年以上の活動を続けた片岡宏雄氏に「気になる10人」をピックアップしてもらった。 片岡氏は、「1位を12人並べるのに苦労する年。間違いなくプロで通用する即戦力投手は2人だけだが、伸び幅や可能性を秘めた社会人、大学生はいる。清宮も含め将来性が楽しみな高校生の野手も1位に挙がってくるだろうが、各球団のチーム事情や、戦略、好みによってバラけてくるだろう」と全体像を予想する。 片岡氏が、「すでにプロの力がある」と評価したのが、JR東日本の左腕、田嶋大樹と、ヤマハの鈴木博志の2人だ。 田嶋は、佐野日大高時代にセンバツでベスト4に入りプロも注目していたが社会人に進んだ。最速152キロの左腕で、独特の角度から投じるクロスファイアーとカットボールが武器。完投能力も高くU23侍ジャパンにも選ばれMVPを獲得している。 鈴木は、磐田東高時代には、肘を疲労骨折して手術したが、ヤマハに進んで開花。最速157キロを誇るストレートは、常時150キロ以上をマークするパワーピッチャーだ。 「田嶋は先発としてすぐ使えるだろう。ボールに角度があり、同じ腕の振りでカットボールを操る。コントロールも、まずまずだし、阪神の能見のようなローテー投手として定着できる可能性がある。鈴木は、対照的なパワーピッチャー。馬力がありボールにスピンが効いていて、あれだけの球威があればリリーフとして即通用する。守護神が欲しいチームは喉から手が出るほど欲しいだろう」 即戦力投手として、この2人に続いて片岡氏が選んだのが、日立製作所の鈴木康平、仙台大の馬場皐輔、明治大の左腕、齊藤大将の3人だ。 鈴木は、甲子園出場経験はないが、千葉明徳高時代からプロ注目の右腕で国際武道大を経て日立製作所へ進み、最速は151キロの本格派。真上から振り下ろすストレートと変化球のコンビネーションは異色だ。国武大時代は、肩の手術などがあり、プロから敬遠されたが、今ドラフトでは再び存在がクローズアップされている。馬場は、最速155キロに多彩な落ちるボールを持ち、仙台6大学リーグでは、ほとんど失点がない。仙台育英高では甲子園のマウンドも経験している。明大の齊藤は桐蔭学園出身の変則左腕。 「鈴木は、ピッチャーらしいピッチャー。球離れが若干早いのが気になるが、社会人ながら伸び幅にも期待できる。明大の齊藤は、変則の部類に入る左腕だが、肘の使い方が柔らかく独特なのでプロでも打者はボールが見にくく戸惑うと思う。今季、楽天で変則左腕の高梨が戦力になったが、斎藤も先発でもワンポイントでも使い勝手はいいだろう。仙台大の馬場は、身体能力の高さを感じさせる本格派。日ハムに入って活躍している有原を彷彿させるものがある」