「肥後にわか」キンキラ陽子さんが熊本弁道場…薄れゆく方言「良さが見直さるっ時の来っとじゃなかかな」
にわかを過去に学んだことがあり、陽子さんの下でより深く熊本弁を学びたいと通う熊本市の中井和代さん(81)は、「若い人とはほとんど標準語で話し、熊本弁は使わなくなった。講座で本物に触れてエネルギーをもらっています」と話す。
陽子さんは熊本弁を後世に残そうと、肥後にわかだけでなく、熊本弁で流行曲や三味線の唄をカバーし、介護施設などで披露している。「いつか良さが見直さるっ時の来っとじゃなかかなって信じとるとです。少しでも、でくっことば続けていきたかと思うとります」と熊本弁で締めくくった。
「あんたがたどこさ」今も愛され
「ことば」が歌として地域に愛され、形になったものもある。「あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ……」。童謡「あんたがたどこさ(肥後てまり唄)」は小さい頃、誰もが口ずさんだことがあるだろう。「船場」は、現在の熊本市中央区船場町とされる。
地区にある熊本市電の洗馬橋電停にはタヌキの像がある。曲中の「船場山のたぬき」にちなみ、1992年2月に地元の有志が建てたという。
電車が電停に近づくと曲が流れてくる。市交通局は「地域で愛されている証しとしてこれからも残していきたい」としている。(中村由加里)