静学卒プロ3年目の苦悩「今年終わる」 逆境から一転…寝覚めの一撃「ここからだな」【コラム】
スーパー弾に同志からメッセージ「プレー100点、インタビュー3点」
名門・静岡学園高校からプロ入りして3年目の古川にとって、同じタイミングで磐田のユースからトップ昇格したMF藤原健介は互いに刺激しあうライバルであり、同志でもある。その藤原がJ3のギラヴァンツ北九州に、育成型期限付きで移籍したのが10日ほど前で、古川としては3試合ぶりのベンチ入りで、期するものはあっただろう。スーパーゴールを決めた古川に、藤原からLINEのメッセージが届いたというが、古川は「プレー100点、インタビュー3点と」と笑いながら内容を明かしてくれた。 「自分の中で葛藤しましたけど、ここからだなっていう印象が強いです」 後半戦のスタートで結果を出せたことは大きいが、勝負はこれから。左サイドはここまで主にMF平川怜が主力に定着してきたが、東京V戦ではMF金子翔太が左サイドでスタメン起用されて、最初の決定的なシュートに持ち込むなど、攻守にダイナミックなプレーを見せた。その金子と同じく、右サイドでリーグ戦初スタメンとなったMFブルーノ・ジョゼも前半のPKを獲得。FWジャーメイン良のキックが相手GKマテウスに止められて得点はならなかったが、後半にオウンゴールを誘発するクロスなどで勝利に大きく貢献した。 すでにルヴァン杯、天皇杯とカップ戦の敗退が決まり、残された公式戦はリーグ戦の18試合しかない。ここで古川がどういったプレーを見せて、明確な結果につなげていくのか。2巡目のスタートで同じ”昇格組”の東京V相手に快勝し、現在20試合で勝ち点23の13位にポジションを上げてきたが、古川が躍進の鍵を握る1人であることは間違いないだろう。 [著者プロフィール] 河治良幸(かわじ・よしゆき)/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。
河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji