今でも乗りたい1970~1980年代の後輪駆動セダン3選
走りのイイ、なつかしのクルマを振り返る! 【写真を見る】当時の貴重な後輪駆動セダンの内外装など(31枚)
百花繚乱
1980年代は日本車が百花繚乱という様相を呈した時代。別の言い方をすると、セダンだろうとハッチバックだろうとRV(レクリエーショナルビークル)だろうと、私たちにとっての選択肢は豊富だった。 駆動方式も多様。セダンをとっても、1970年代からの後輪駆動方式と、1980年代以降、趨勢となる前輪駆動が入れ替わっていく時期でもあった。といっても、後輪駆動だから古くさいってことはなくて、当時も良かったし、いま乗っても十分に楽しめそうなセダンが多かった。 そこで、印象的だった後輪駆動車を3台振り返る!
(1) トヨタ「チェイサー」(2代目)
トヨタが1980年に送り出したのが、2代目チェイサーだ。いわゆる“マークⅡ3兄弟”のなかでスポーティな雰囲気を強めに出したモデルである。 初代チェイサーは1977年、トヨタオート店向けのプレミアムセダンとして設定された。最大の特徴が4ドアハードトップボディの設定。外からだとBピラーがないようなデザインだ。でも、安全性のためにBピラーは見えないようにしつつ、しっかり残していたのがトヨタの見識だった。 2代目チェイサーが今、おもしろいと思うのは、1970年代と1980年代の混ざり具合。エクステリアデザインは、直線基調のエッジがたったもの。1980年代前半のトヨタ「カリーナ」、「スプリンターカリブ」、「カムリ」、「ビスタ」、さらに「セリカ」にいたるまで共通したデザインテイストだ。 いっぽうで、チェイサーの内装は、1970年代のいわば米国車コンプレックス丸出しのテイストがそのまま残ったもの。かつてのクラブのようなベロア調というか、毛足長めのウール生地で、たっぷりのクッションを覆ったようなタイプ。昭和流行りの今、内外のミスマッチ感覚がおもしろい。 エンジンバリエーションは豊富で、トップモデルは1988cc直列6気筒エンジンを搭載していた。トヨタの上級セダンは、後輪駆動というポリシーを長いあいだ持っていて、マークⅡ3兄弟も同様だった。走りのための後輪駆動という、そっちのキャラクターは希薄だったけれど、スムーズなハンドリングが印象的な仕上がり。 低回転域からのトルクを重視し、なめらかな走行感覚をめざしたチェイサー。エッジーな特徴は希薄とはいえ、全長4.6m、全幅1.7m(未満)のボディサイズは、今も扱いやすく、興味あるひとには勧めたい。