清水裕友が5車ライン粉砕 “埼玉勢の過信は禁物”と考えられていれば獲れた万車券/大宮競輪G3・決勝
現役時代はKEIRINグランプリを3度制覇、トップ選手として名を馳せ、現在は評論家として活躍する競輪界のレジェンド・山田裕仁さんが大宮競輪場で開催された「東日本発祥75周年倉茂記念杯」を振り返ります。
2024年1月8日(月)大宮12R 東日本発祥75周年倉茂記念杯(GIII・最終日)S級決勝
※左から車番、選手名、期別、府県、年齢 ①平原康多(87期=埼玉・41歳) ②清水裕友(105期=山口・29歳) ③北津留翼(90期=福岡・38歳) ④稲垣裕之(86期=京都・46歳) ⑤宿口陽一(91期=埼玉・39歳) ⑥山田義彦(92期=埼玉・37歳) ⑦井上昌己(86期=長崎・44歳) ⑧太田龍希(117期=埼玉・23歳) ⑨中田健太(99期=埼玉・33歳) 【初手・並び】 ←⑧⑤①⑨⑥(関東)②④(混成)③⑦(九州) 【結果】 1着 ②清水裕友 2着 ①平原康多 3着 ③北津留翼
脇本の途中欠場、深谷の敗退… デキのよさ目立った清水
年が明けてから、はや1週間以上が経過。元旦に起きた能登半島地震など、さまざまな災害や事故が立て続けに起こっていますね。厳しい生活を余儀なくされている方々のことを思うと、本当に胸が痛みます。地震などの天災は、いつ誰の身に降りかかってもおかしくないもの。私は南海トラフ地震が来ると言われ続けている東海地方が地元ですから、けっして他人事とは思えません。 このあたりで話を戻して……1月8日には埼玉県の大宮競輪場で、今年初の「記念」である東日本発祥倉茂記念杯(GIII)の決勝戦が行われています。このシリーズには、KEIRINグランプリ2023にも出場していた脇本雄太選手(94期=福井・34歳)や深谷知広選手(96期=静岡・34歳)、そしてS級S班に復帰した清水裕友選手(105期=山口・29歳)など、かなりの豪華メンバーが出場していました。 しかし残念ながら、脇本選手は3日目以降を欠場。初日特選と二次予選のいずれも敗れていたように、かなり調子を落としていたのでしょう。さらに深谷選手も、突っ張って先行した準決勝で、緩んだところを叩かれてしまい8着に敗退。深谷選手はグランプリ同様に上々のデキだと思われましたが、脚の使いどころを少し間違ってしまった感がありましたね。次のシリーズでの巻き返しを期待しましょう。 その結果、決勝戦まで駒を進めたS級S班は清水選手だけに。清水選手もデキのよさが目立っていた選手のひとりで、あとは北津留翼選手(90期=福岡・38歳)や宿口陽一選手(91期=埼玉・39歳)も好気配。逆にどうもデキが思わしくないのが、地元記念10回目の優勝がかかる平原康多選手(87期=埼玉・41歳)でした。番組面での助けもあって、なんとか決勝戦進出を決めたといった印象ですね。 決勝戦は3分戦となりましたが、地元・埼玉勢は過半数となる5名が勝ち上がり。ひとつのラインに結束して、必勝態勢で臨みます。先頭を任されたのは太田龍希選手(117期=埼玉・23歳)で、番手を回るのは宿口選手。3番手が平原選手で、 中田健太選手(99期=埼玉・33歳)が4番手。そして5番手を山田義彦選手(92期=埼玉・37歳)が固めるという布陣です。ここは二段駆け、三段駆けがあって当然でしょう。