剛腕スキーンズが新人王! パイレーツファン歓喜!でも…複雑な思いを抱く理由とは
ネットサイト「ザ・スコア」のトラビス・ソーチック記者がピッツバーグ・パイレーツのポール・スキーンズ投手がナ・リーグ新人王を獲得したことで地元ファンは大喜びだが、喜びも束の間、チームにいる期間が短くなると懸念の声に転じたと報じている。 MLBではフリーエージェントになるには6年分のフルのサービスタイムが必要。フルのサービスタイムを得るにはメジャーリーグのロースターに172日間登録されていないといけないが、今年のスキーンズは142日間で届いていなかった。しかしながら現行の労使協定から新人王投票で上位2位以内に入れば、条件を満たしていなくても、1年分のフルのサービスタイムを得られると変更された。これにより、スキーンズがFA市場に出るのは30年シーズン後ではなく、29年シーズン後と早まる。現在のオーナーは以前ゲリット・コールをトレードした人物。FA前に出してしまうかもしれない。 加えて議論になっているのは、なぜ開幕からロースターに入れておかなったのか。同じく現行の労使協定から、新人王を獲得したり、調停権の資格を得る前にMVPまたはサイ・ヤング賞の投票でトップ3に入った場合は、チームは1巡目の後のドラフト指名権を獲得できる。しかし、球団がこの報酬を受け取るためには、選手がベースボールアメリカ誌、ESPN、大リーグ公式サイトのMLB Pipelineの3つの有望株ランキングリストのうち、2つでトップ100にランクインし、かつシーズン中にMLBロースターに少なくとも172日間登録されていなければならない。スキーンズは5月上旬までメジャーデビューしなかったため、パイレーツはこの報酬を受け取る資格がない。 23年のダイヤモンドバックスとオリオールズはこの仕組みを利用し、コービン・キャロルとガナー・ヘンダーソンが新人王を獲得したことでドラフト指名権を与えられていた。 スキーンズの新人王受賞はピッツバーグにとって素晴らしいニュースだが、同時に複雑な感情を引き起こしている。 ソーチック記者はスキーンズが長期的にピッツバーグにとどまるためには、(チームにもっと投資できる)オーナーに交代するか、異なる労使協定が必要だと説明。しかしながらどちらも実現可能性は低いので、「ピッツバーグのファンよ、スキーンズを楽しめるうちに楽しんでおけ」と締めくくっている。