担当カメラマンが見た、シルエットに写る吉川尚輝の“オーラ”
特別な選手は、言語化できないオーラをまとっている。それを感じ取れる選手は、シルエットの写真が様になると思っている。 【写真】幸せいっぱいの寄り添う2ショット! 12月中旬に取材した巨人の優勝旅行(米ハワイ州)で、吉川尚輝内野手(29)の撮影機会に恵まれた。プロ8年目で、自身初の143試合全試合出場。勝負強い打撃と華麗な守備で見る者を魅了し、チームの4年ぶりリーグ優勝に大きく貢献した。 そんな立役者が放つ“何か”を、写真に写したかった。選んだ場所はノースショア。オアフ島北部に位置するエリアで、高波を求めるサーファーが世界中から集まる。この日も、ごう音を立てる高波に何度も足を取られた。思い描いていた荒い背景は、評判通り健在だった。 太陽が沈み始めた夕方5時半。自然体でビーチを歩いてもらった。波が押し寄せる、壮大な砂浜。炎のような“スポットライト”に照らされ、ゆっくりと影が揺れる。映画のワンシーンかのような歩き姿だ。 そして28日、結婚も発表した。海への道中では、結婚観や野球人生について多くを語ってくれていた。飾らない言葉の数々に、強く引き込まれた。そんな決意や覚悟を写真に重ねると、吉川の輪郭が想像以上に力強く浮かび上がった。 30歳で迎える来シーズン。人生の伴侶を得て、静かに闘争心を燃やす。もっともっと、やってやるぞ―。まるで、そんな風に聞こえてくるかのようだった。(写真部・宮崎 亮太)
報知新聞社