植田日銀のインフレ対応は欧米中銀と同じく後手に回る
半年ほど前から、ずいぶん物価が上がったなと感じる状況が増えています。このまま物価は上がり続けるだろうと考えてしまいますが、日銀の考え方は少し異なるようです(写真:ma_bo/PIXTA)
4月28日に最初の政策決定会合を終えた日銀の植田和男総裁は、記者会見でも学者らしい丁寧な説明で市場との対話を目指した。ただ、相変わらずわかりにくかったのは物価についての説明だ。 もともと日銀がインフレ目標とする物価指標は「生鮮食品を除く総合消費者物価(いわゆるコア消費者物価)の前年比」で「2%」が目標だ。 ところが、黒田東彦・前総裁は、このコア消費者物価前年比が2022年4月以降ずっと2%を上回り、加速しているのを横目に「持続的、安定的な物価上昇ではない」「賃金上昇を伴った物価上昇が必要」として、インフレ率が目標の2%を上回るのを無視してきた。
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新見 未来