「今の状態を保てるのではないか」アルツハイマー病で期待の新薬 対象者の条件と費用
レカネマブは認知症にとって「画期的な薬」とも言われています。 甲府脳神経外科病院 篠原豊明理事長: 「認知症は正常細胞が減ってしまうことがそもそもの原因ですので、正常細胞がなんで減るかということはわかってきました」 甲府脳神経外科病院 篠原豊明理事長: 「最も典型的なのは『アミロイドβ』という悪いタンパク質が脳の中に増えるからということが分かってきた。それに対して悪いタンパク質を中和させる抗体があります」 「レカネマブは悪いタンパク質をコントロールする。中和抗体なので作用を抑えるということ。抑えれば正常細胞がいつまでも残っていられるので認知症状が今の段階で維持され、今よりも悪くならない。そこで止めるのがレカネマブの仕事」 甲府脳神経外科病院 篠原豊明理事長: 「今の状態を保てるのではないかというのが治験段階でわかっているので、レカネマブが期待されているわけです」 「他の薬は使ってもやはり年々(認知機能は)落ちてしまいます」 こちらの病院では今年2月から今月までで12人がレカネマブを投与しています。 甲府脳神経外科病院 篠原豊明理事長: 「今の段階では『良い』というイメージを持っていますけれど、少なくとも悪くなっていない。目的は悪くならなければそれを良しとするお薬ですのでね」 ただし、レカネマブは認知症を「回復」「治す」というより、進行を止める薬です。そのため投与にも条件があります。 甲府脳神経外科病院 篠原豊明理事長: 「本当に初期段階の入り口の方です。正常細胞が増えるわけではありませんので、その状態がよくなるという話はない。夜徘徊して帰ってこられなくなるなど、どなたが見ても認知症というレベルまで進行してしまった方については現段階では適用外、対象にならないというのが現状」 また副反応のおそれや高額な治療費も… 甲府脳神経外科病院 篠原豊明理事長: 「脳内出血を助長する可能性があることと、脳がむくんでしまう可能性がある。したがって(レカネマブの)注射をできる人は『血液サラサラの薬』を飲んでいる方は慎重投与ということになります」
甲府脳神経外科病院 篠原豊明理事長: 「(費用は)多くの人の場合は1割、2割負担の方が多いので、最終的には1年半注射するのが原則として、この期間としては30万円前後どうしてもかかってしまいますね」 高齢化に伴い認知症と向き合うことが求められる時代、この新薬が開く未来も期待されています。 甲府脳神経外科病院 篠原豊明理事長: 「何とか進行を遅くしたい、そうすることによって介護費の抑制とか、あるいは医療費の抑制とかにつながるだろうと。それが半年、1年でなくて2年、3年となればこんなにいい事はない。ただそこまではお薬の効果は確認されておりません」
テレビ山梨