アップルはなぜ中国で売れなくなったのか 2023年スマホ販売数世界トップとなるも苦戦続く
中国メーカーの包囲攻撃
この10年ほど、中国はアップルの売上高全体の約20%を占めてきた。アップルにとって中国は世界で最も活況な市場であり、手放すわけにいかない。 興味深いことに、メディアはアップルのシェアが減少したのは、華為技術(ファーウェイ)復活の影響だとしている。しかし取材に応じたアップルの販売代理店やアップル内部のスタッフのほとんどが、ファーウェイ「Mate 60」の発売はアップルの販売数に影響していないとした。アップルとファーウェイのユーザー群はもともと重なっておらず、大きな影響はあるはずないというのだ。むしろ、中国経済の低迷で、スマートフォンの買い替え需要が減少したことが本当の要因なのかもしれない。 それでも、この数年中国でハイエンド商品の需要が高まっていることは誰の眼にも明らかで、アップルにライバルが増えていることは否定できない。市場調査会社Counterpoint Researchのシニアアナリストは、アップルの中国市場における状況について「マーケットはまさに息を吹き返しつつあるが、アップルはハイエンド市場で復活したファーウェイや、iPhone13やiPhone14の生産を増やしている多くの中国のOEM企業との競争に直面している」とした。 例えば昨年10月、シャオミの「Xiaomi 14」シリーズはわずか1週間で販売台数が100万台を突破し、国産スマートフォンとして新記録を打ち立てた。京東集団のECサイトでは、Xiaomi 14の初回販売台数が「iPhone15 Pro」を上回った。vivoの「X100」シリーズや栄耀(Honor)の折りたたみシリーズも優れた機能を持つ国産のハイエンド機種だ。コストパフォーマンスをいっそう重視する今の消費者なら、間違いなく心を動かされる。 クックCEOは2021年8月、中国がiPhoneの最大のマーケットになったことを祝うコメントを発表した。しかし今、アップルにイノベーションを起こす力は無く、中国国産品が台頭している。さらにユーザーの買い換え需要が減少しているなど、さまざまな要因が重なるこの状況で、クックCEOはどうやって中国消費者の歓心を買おうとするだろうか。 作者:Tech星球(WeChat公式ID:tech618) ※2024年4月17日のレート(1ドル=約155円、1元=約21円)で計算しています。 (編集・翻訳 36Kr Japan編集部)