中絶が焦点となった米33州最高裁公選、結果はまちまち
Nate Raymond [6日 ロイター] - 5日の米大統領選と併せて33州で実施された州最高裁裁判官の審査・公選で、民主党側は人工妊娠中絶の権利が争点となってリベラル派が勢力を拡大すると期待していたが、結果はまだら模様となった様子だ。 オハイオ州最高裁では共和党の裁判官が多数派を維持し、ノースカロライナ州では共和党裁判官が現職の民主党裁判官から席を奪う情勢となっている。ケンタッキー、ミシガン両州では民主党が支持した候補者が勝利。しかしエジソンリサーチによると、アリゾナ州では1864年の人工妊娠中絶禁止を支持した裁判官2人が落とされることはなかった。 保守派が過半数を占める連邦最高裁が2022年、中絶を憲法上の権利とした1973年の判決を覆して以来、中絶の権利を巡る闘いは州レベルに移り、保守派の強い13州では中絶が禁止され、他の州でも制限が設けられた。 この結果、州法の解釈について最終判断を下す州最高裁の審査・公選が、今回の選挙で注目を集めた。 10州では中絶の権利を巡る州憲法改正についての住民投票も実施され、うち7州では権利を維持もしくは拡大する改正が承認された。一方、フロリダ、ネブラスカ、サウスダコタの3州では中絶の権利を守る措置が否決された。 裁判官の審査・公選を調査しているブレナン・センター・フォー・ジャスティスのダグラス・キース上席顧問は「保守派から見ても急進派から見ても、昨夜の最高裁公選はまちまちの結果と映るだろう」と述べた。