サッカー五輪代表で松木玖生が選外、山本昌邦氏「移籍の可能性で、招集の確約取れず」
日本サッカー協会は3日、原則U-23(23歳以下)で争うパリ五輪の男子日本代表に細谷真大(柏)藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)ら18人を選出した。3人まで認められる24歳以上のオーバーエージ(OA)枠の選手は選ばなかった。OA枠が不在なのは、1996年アトランタ、2008年北京の両大会以来。最終予選で主力だった松木玖生(FC東京)は外れた。 【写真】五輪代表から外れた松木玖生 OAを使えず、A代表の主力で23歳以下の久保建英(レアル・ソシエダード)や鈴木彩艶(シントトロイデン)も連れていけない。国際試合期間外に行われる五輪ならではの招集制限に苦しめられた大岩剛監督は、「招集できる最高の18人。このメンバーで金メダルを奪う」と力強かった。 過去、OAを使わずに戦ったアトランタ、北京両大会は1次リーグ敗退に終わった。OAなしで1次リーグを突破したことはない。一方で、OAを活用したアテネ、リオデジャネイロ両大会も1次リーグで姿を消した。OAが五輪での日本の命運を握っているわけではない。 招集メンバーは実力者ぞろいだ。細谷と野沢大志ブランドンは1~2月のアジア・カップ日本代表で、藤田や斉藤光毅ら欧州組の多くは所属クラブで出場機会を確保。J1首位の町田を引っ張る平河悠と藤尾翔太を筆頭に国内組もほとんどが所属クラブの主力で、スケールは過去の大会と比べても見劣りしない。 松木(FC東京)が選外となった理由について、山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「移籍の可能性があって、招集できる確約が取れなかった」と説明した。OA候補も含めてキャリアアップのチャンスが選外の理由なら、日本選手が世界で必要とされている証でもある。 4~5月のU-23アジア・カップも同様の招集制限がある中で、優勝してパリ五輪出場権を獲得した。アジア王者として臨む五輪へ「決勝進出は日本サッカーの悲願。国民のみなさんと喜び合うのを想像しながら戦う」と指揮官。高いポテンシャルを秘めた若きサムライが、銅メダルを獲得した1968年メキシコ五輪超えに挑む。(奥山次郎)