HSBCがアジア投資銀バンカー10人余り削減、ディール低迷-関係者
(ブルームバーグ): 英銀HSBCホールディングスはアジアの投資銀行部門で新たな人員削減を開始した。アジア全域でのディールメーキング低迷に対応する。事情に詳しい関係者が明らかにした。
HSBCは16日、アジアの投資銀行部門全体で10人余りのバンカーを減らした。関係者の1人が非公開の情報だとして匿名を条件に述べた。
香港在勤の広報担当者は同行の従業員数について、年ごとに変動すると説明。その上で、全体として投資銀行部門は「非常に厳しい数年間」の間に好調な業績を達成したと述べた。
アジアでの株式を通じた資金調達や企業の合併・買収(M&A)が減少する中、UBSグループやゴールドマン・サックス・グループ、シティグループなど世界的な大手行は過去1年半にアジアで既に数回の人員削減を行っている。
HSBCの中核市場である香港と中国での事業案件は特に低迷。中国は新型コロナウイルス禍後の景気の足場固めに苦しんでいる。
香港では新規株式公開(IPO)が落ち込んでいる。HSBCのグローバル・バンキング&マーケット責任者グレッグ・ガイエット氏は今月、対中投資が回復の兆しを見せているとしても、香港のIPO市場が回復するのは少なくとも今年後半になりそうだと述べた。
同氏はグローバル・バンキング&マーケット部門全体の人員について、テクノロジーを活用して業務を合理化するため、恐らく「減少傾向が続くだろう」とも予想。ただ、シンガポールやムンバイなど他のアジアの拠点で、顧客と良好な関係を持つシニアバンカーを雇用したいとの考えも示した。
原題:HSBC Cuts a Dozen Investment Bankers in Asia on Deals Slump(抜粋)
--取材協力:Elffie Chew.
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Denise Wee, Ambereen Choudhury