定年まであと10年ですが、住宅ローンは残り「1000万円」です。子どもも就職しますし、老後のためにも定年前に完済すべきでしょうか?
定年を間近に控えた今、中年世代が直面する問題の一つに「住宅ローンの残債問題」があります。完済予定を定年後に設定している人も多く、老後資金への不安から定年前に完済してしまおうか迷う人も少なくありません。 本記事では、定年前の住宅ローン完済の重要性や、具体的な完済方法について解説します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
定年前の住宅ローン完済の重要性
定年を目前に控えた人にとって、定年前に住宅ローンを完済するかどうかは、退職後の生活の質に直結する可能性のある重要な問題です。退職後、収入が減少する中で住宅ローンの返済が続くと、生活を圧迫しかねない状況になり得るからです。可能な限り定年前に住宅ローンを完済することで定年後の住居費が減り、老後生活へのゆとりも生まれやすくなるでしょう。
住宅ローン完済を早める具体的な方法
住宅ローンを早期に完済する方法はいくつかありますが、その人の収入や貯蓄、ライフスタイルによって最適な選択は異なります。ここでは具体的な3つの方法を見ていきましょう。 ■返済条件変更 返済条件を変更し返済期間を短縮することで、利息負担を減らすことができます。ただし返済条件を変更する場合は、金融機関との再交渉が必要であり、審査も伴います。収入や貯蓄の状況によっては、返済条件の変更が受け入れられないこともあるため、事前の準備と確認が必要です。 ■繰上返済 繰上返済とは、毎月の返済とは別に元金を追加で支払うことで、返済期間の短縮か毎月の返済額を減らす方法です。ただし、繰上返済には手数料がかかったり、繰上返済金に最低金額が設定されていたりする場合もあるため、家計の状況に応じた返済計画を立てる必要があります。 ■借換 金利が低い別の住宅ローンに借り換えることで、返済額はそのままですが返済期間を短縮できます。金利の変更や利息の圧縮による総返済額の減少が期待できる反面、新たな審査や諸費用が発生することにより、かえって返済額が増えてしまうケースもあるため注意が必要です。
定年前に完済するメリット・デメリット
住宅ローンを定年前に完済する主なメリットは、退職後の金銭的な負担が軽減されることと、精神的な安心感を得られることです。また、定年までに住宅ローンを完済しておけば、退職金をそのまま老後の生活に活用することができます。 一方で繰上返済などを行うと、その分貯蓄が減少する可能性があり、老後の資金計画に影響を与える点があることはデメリットでしょう。